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G海軍航空隊  作者: 自宅防衛隊
オレはGだ。
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アイアン・ボトム・サウンド

実史ではガダルカナル沖が呼ばれてたアイアンボトムサンド。

鉄底海峡と言う意味ですが、

このSSではグアム~サイパン沖が呼ばれる事になりました。

多くの戦士を飲み込んだグアム沖海域。

人は鉄底海峡(アイアン・ボトム・サウンド)と呼ぶ。

多くの人命と艦船、航空機が恨みを呑んで眠ってるからだ。

合衆国は何としてもこの海域にジャップの艦船を叩き込まないと、

この戦争を終える気にはなれない。

だが、もしこの海戦で敗れたら、恐らく二度と合衆国は対外戦争には参加しなくなるだろう。

いや出来なくなる・・。


孤立主義が台等し始めてたからだ。

アメリカが多くの戦時国債を発行し、ようやく揃えた巨像の群れは、

一路、恨みのグアム海域へと侵攻してた。

日本海軍もモチロンアメリカの息の根を止めるべく、艦艇を進めてた。

だが勢い良く進軍するアメリカに比較して、日本軍は蛇行を繰り返し、

チビチビとした速度でグアムに向かってた。


アメリカ軍もサイパンに近づく愚作は犯さない。

自軍のグアム海域で待機し、日本軍の到着を待ち続けてた。


「来ませんね。ジャップの連中。」


「モンタナにビビってるのだよ。絶対に。」


「このモンタナは確実に歴史に残る巨艦ですからね。」


「ウム。生きてる間にこんな巨艦に乗れる日が来るとは・・。

キンメルや戦死した仲間には悪いが、ジャップに少しだけ感謝してるぞ。」


「ハハハ。確かに。

本当ならモンタナは建造されない戦艦でしたからね。」


「ウム。だがジャップの見事な作戦で我が軍を壊滅させた事で、

世界の目は戦艦の建造に再び着目した。

ソ連もドイツもイギリスも・・。

建造可能な国はすべて戦艦を建艦してると聞く。」


「ですがモンタナを越える巨艦はムリでしょう。

我が国だから作れた船ですから。この彼女は。」


その通りだ。

我が国もパナマ運河の通過を諦めたからこそ建造出来た巨艦だからな。

大西洋も無視は出来ないが、今は我が国の危機。

いかに我が軍から仕掛けた戦争とは言え、敗北だけは許されぬ。

今回の海戦で確実にジャップをこの海域に叩き込み、亡くなった戦友の霊に報いたい。

だが敵は強い。

間違いなく歴史上でも最強のネービーだ。

ジャップは海に囲まれた狭い島国だから、ネービーも強くなったのだろう。

アドミラル・トーゴーでも驚かされたが、オザワには心胆を寒くさせられた。

おかげで我が国はガタガタになってしまった。

オザワを絶対にモンタナの砲火の塵にするぞぉぉ。

オレ達は全軍で咆哮をあげてた。




「長官、アメリカ軍は我々が到着しないのをイライラして待ってるみたいですね。」


「待たせておけ。これも戦闘の一環よ。」


小沢も愛読書の五輪の書に習い、一乗寺下り松の決闘を思い出し、作戦を考えてたのだ。

アメリカを吉岡一門と考え、イライラした所を奇襲し一刀両断。

敵に攻撃を察知されない様に戦い、被害を極力無くす方針で戦う。

消極的ではあるが、敵には驚異的破壊力をもたらすと考えている。


やがて双方の戦闘機の攻撃可能圏内となる。

互いにレーダーを備えてるので、どちらが攻撃機を発進させたかは一目両全。

やはりアメリカ側が先に攻撃機を放った。

願ってた展開となりつつあるのを小沢は感じてた。

戦場では一瞬の勝機こそが勝利への約束となる。

小沢はその約束の手ごたえを一瞬で感じ取ってた。


「全機、即時発艦体制を整えろ。間もなく敵が我が艦隊に向かって進撃を開始する。

敵を我が艦隊に近づけるな。

すべて叩き落してしまえ。

今時海戦こそが対アメリカ戦争の終結となろう。

各員全力を尽くして戦え。

出し惜しみはナシだ。」


小沢は艦隊全艦、全機に向かい指令を発令。

嫌でも士気は高まろう。

やがて敵は編隊を整えたらしく日本艦隊に向け進撃を開始し始めた。


全機に発艦命令が下ったのはその時だった。

カタパルと着艦甲板を使い、ガンガン発艦して行く新型烈風。

やがて全空母八隻からすべての艦載機が出撃。

堂々たる大編隊を組み、敵に向けて進撃。

日米双方の若者が死力を尽くす戦いはもうすぐ始まる。

敵の主力戦闘機はF8Fベアキャット。約600機。


日本側は烈風52型。約500機。


どちらも究極のプロペラ戦闘機だった。

だがパイロットは・・・・・・。


僅かな凄腕のパイロットを除くと、アメリカのパイロットはすべてルーキーばかり。

日本側はルーキーはすべて基地防衛部隊に回され、海戦に参加したパイロットは

いずれもベテラン揃い。

最低でも飛行時間は1500時間を越えてるパイロットばかりだ。

オマケに全てがエース。

グアム攻防戦で充分な経験を積んでた彼等だったのだ。

戦闘機パイロットは経験と飛行時間、そして戦闘経験こそが重要なのだ。

いかに戦闘機の性能が上がっても、使いこなせないのでは意味は無い。


間もなく日米の艦載機に拠るドッグファイトが開催されようとしてた。

入場料は己の命。





前ぶりが長くてすいません。

次回から戦闘に入ります。

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