復活??アメリカ太平洋艦隊
敗北から一年。
ようやくアメリカ太平洋艦隊が復活しました。
形だけは・・。
ニミッツはようやく司令長官としての任務に就いた気がした。
グアム沖からの敗北から一年。
攻撃は陸軍航空隊と海兵隊のF4Uがサイパンとグアム双方で迎撃侵攻作戦を
行うのみであったのだ。
船が無いので、日本側に攻める事も出来ない。
日本が二千年もの間、敵に侵略されなかったのは四方を海に囲まれてたからだと、
我々は今、ようやく実感してた。
我がアメリカ合衆国も膨大な国土はあるが、
太平洋と大西洋に挟まれ、両方の海を艦隊で守らないといけない。
艦船の製作にはパナマ運河の幅を超えてはいけないと言う制約もある。
だが去年のグアム海戦に拠り、両洋艦隊の片翼は叩き折られてしまった。
あれから一年・・。
ようやく戦艦5隻、空母七隻を含む艦隊を作り上げたのだ。
当初は戦艦は新たに作らない方針だったが、昨年の完敗は戦艦の威力を世界に見せ付けた。
我々の敗北ながら、戦艦には未だにバカに出来ぬ威力が隠されてたのだ。
我々は数百人の犠牲者を出し、艦載砲の威力を高める技術の開発を続けた。
あの時の海戦での射撃距離は実に45000メートル。
観戦してたB17の証言は信用に値すると判断され、
それ以上の距離を撃てる砲の製作にアメリカ合衆国は技術の研究に苦心した。
そして、ようやく艦載砲も完成。
口径50センチもの大口径砲が完成した。
ただし当初予定してたアイオワクラスでは搭載が不可能と判断されパナマ通過を諦め、
太平洋専属として配備する事になったのだ。
彼女の名前は「モンタナ」と呼ばれる事に決定。
モンタナクラスは後にヤマトクラスを凌駕する世界一の戦艦となったのだ。
あのグアム海戦では、信じられない距離を敵は戦艦で撃ち、我が軍を壊滅させた。
あの屈辱と羨望は永劫に忘れる事は無いだろう。
世界の海軍はアドミラル・トーゴーの再来とアドミラル・オザワを信望してた。
我が海軍士官も彼の様な指揮官となりたい・・・。
屈辱だが、私も心底、オザワが眩しく見える。
嗚呼、このモンタナがグアム海戦時に登場してたら・・。
我が軍は惨めな敗北を喫する事も無かっただろう・・。
「長官・・・。」
「ん??ああ、キミかね。
いや、ようやく合衆国海軍らしくなったなと思って・・。」
「ムリもありません。
昨年の敗北で我が海軍は壊滅的打撃を受けました。
我が合衆国で無かったら、アレで講和してたと思います。
しかし苦節一年でようやく・・。」
「ウム。見たまえ。
この頼もしき彼女の雄姿を・・。」
後にモンタナクラスと呼ばれる一番艦、戦艦モンタナの巨体に我々は見とれてた。
もうパナマ通過なんてどうでも良い。
我々は世界一の大戦艦を保有出来たのだから。
この八万トンの巨体の前にはどんな国もひれ伏すだろう。
だが敵はあのニホンテイコクだ。
どんな手を使うか予想も出来ない。
ヤツ等は昨年のグアム沖海戦の勝者なのだからな。
ニミッツはモンタナのブリッジに立ち、身震いしてたのだ。
Gです。
スパイの報告に拠りますと、いよいよモンタナクラスが就役したとか・・。
ま、予想通りですね。
しかし一年で作り上げるとは日本では真似出来ません。
でもアメリカの国力でも一年で艦隊を作るのは相当のムリをしたでしょう。
もう後は無いと思います。
フフフフフフ。
自分はコレを狙ってたのですよね。
いかなアメリカでも二度も艦隊を壊滅させられたら・・。
国民は絶対に黙っていません。
我が国は他国には一切の手出しはしてませんからね。
世界も好意的だと思います。
さて、次の作戦を打ち合わせておきますか・・。
短いですが、次の戦闘の前兆を書きました。
いよいよ講和目指し、Gが暗躍します。




