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G海軍航空隊  作者: 自宅防衛隊
オレはGだ。
24/46

激突

遂に日米双方の戦艦が激突します。

Gです。

布哇在住のスパイからの報告でアメリカ艦隊が遂に出撃したそうです。

今回は戦艦をすべて出すみたいですね。

フフフフ。楽しみです。

私の妄想がすべて実現出来た新鋭艦隊に驚く彼等の顔が・・・。


「長官、もうすぐ作戦海域に近づきます。」


「ウム、総員に訓示をする。マイクを持て。」


「ハッ、ただ今準備します。」


数刻後、全艦隊に小沢冶三郎長官の訓示が同時放送された。


「諸君、いよいよ待ちに待った艦隊決戦だ。

前回の戦いでは撃ち漏らせた敵戦艦をも壊滅させる時が来たのだ。

既に充分な訓練も積み、特性にも慣れたと思う。

命令通りに従え。

そうしたら勝利は我々のモノだ。

艦載機パイロット諸君、護衛は頼んだぞ。

一機も敵を艦隊に近づけるな。

以上だ。」


小沢長官の訓示放送が行われてる頃、丁度アメリカ艦隊も訓示放送をしてた。


「我が精強なるアメリカンボーイズ諸君。

今度こそは敵のビッグガンを壊滅させるのだ。

既に5隻も撃沈した我々だ。

残る敵艦は壊滅出来るだろう。

撃ち果せ。

敵を生かして帰すな。」


艦載機に不安は残るモノの、全てのビッグガンを連れて来たのだ。

よもや負ける事はあるまい。

既に全ての戦艦の発注はキャンセルされ、キャリアーの発注に挿し変えられた。

我が合衆国も潤沢な予算では無い。

壊滅した空母を優先するのも当然だろう。

だが、どうしても不安は残る。

何故、空母を壊滅出来た敵が戦艦を見逃したのか・・。

その時は知らなかったが、ヤツ等は戦艦は戦艦で処理出来るから見逃してたのだ。

後にオレは二度目の海水浴を楽しまされる事になった時にようやく気づいたのだ。

ヤツ等に騙されてたマヌケだった事を・・。


そして日本側・・。


「長官、レーダーに拠ると、今夜夜明け前には敵と遭遇出来るらしいです。

夜間でも勝てるとは思いますが、どうなさいます?」


「敵の望む形で戦ってやろう。

少し迂回し、九時前後に会敵出来る様に艦隊を誘導してくれ。」


「ハッ、お任せ下さい。」


大和を旗艦とする小沢遊撃艦隊は会敵時間調整のため、サイパン北方を迂回、

奇しくも南雲艦隊が壊滅した六月五日が会敵日となったのだ。


(Gクンに聞いた併行世界の我が艦隊壊滅の日が明日か・・。

今回は作戦の事は全く知られていない。暗号も重要暗号は使い捨ての一回限り。

漏れは無いと思うが、人間完璧は不可能。

常に最悪の事態を想定しておこう・・。

それにしても、まさか戦艦を全て指揮出来る日が来るとはな。

これもG情報の恩恵か。

嬉しい出世だった・・。)


小沢は高野を通じ、山口多聞と共にG情報を知らされた数少ない海軍将校だったのだ。


「武藤隊長、明日は私達も敵を落とせますかね・・。」


「心配するな。弱のお前等も必ず落とせる日は来る。

今は戦闘の空気になじむのがお前等の仕事。

オレの側を離れるなよ。離れたら・・・。」


「わ、分っています。隊長。

死に物狂いで隊長に食い付いていますから。」


「他の区隊の連中もだぞ。

戦闘中には絶対にオレの指示以外の行動はするな。

オレが指示しなくとも、オレの尻に食い付いて来い。

その程度の仕込みは出来てるハズだ。

もし勝手に敵に食い付いたら・・・。」


「死んでも離れません。隊長の挙動に細心の注意を払っております。」


「自分のケツも見張れよ。」


「モチロンです。」


先の海戦で、武藤の部下の一人が武藤の妙技に魅せられ、

指示を忘れて敵に踊りかかったのが居たのである。

生きて帰れたが、彼の機は穴だらけとなり廃機処分となったのだ。

そして病院から出た直後、武藤から配置ナシとされ、整備士に落とされたのだ。

空母の整備士の大半はヂツはパイロットの卵が多数居るのである。

戦闘には使えないが、機の構造を積極的に仕込むため、

作戦中は整備士として乗艦してたのだ。

それを知る部下は絶対に武藤の指示を無視しないと誓ってたのだ。

配置を無くすと中々正規パイロットには戻れないのだ。


岩本小隊も部下に指示を与えてた。


「スギ、お前は中々筋は良い。

だが慢心するなよ。

お前が死ぬのは勝手だが、

お前を仕込むのに国費が何十万もかかってるんだ。

元を取るまでは勝手に死ぬ事は許さぬ。

いいか。」


「ハイ。隊長。」


「ウム、良い返事だ。いいか。

空では即、返答しろ。今後もずっとな。

お前が部下を持てる身分になった時でも、絶対に甘えさせるな。

隊長の指示に従えない部下は殴りはしないが、配置が無くなるぞ。

特に艦載機パイロットは枠が狭いからな。」


「名誉ある赤城戦闘機隊、

岩本分隊から降ろされるなんて死ぬよりもイヤです。」


「それなら地上でオレ達が指示したり指導した事は

空に上がっても絶対に忘れるな。

一年頑張れば、お前も三番機からカモ番位にはなれるさ。」


「じ、自分が名誉あるカモ番機ですか・・。」


「ああ、分隊の要、カモ番機だけは下手には任命したく無いからな。」


「頑張ります。絶対にカモ番になれる様にします。」


「ウム。」


(この世界の日本海軍航空隊はロッテ形式の編隊が普通となってた。

隊長は一番機、二番機は隊長に次ぐ次席パイロット。

三番機は一番下手なルーキー。

そして通称カモ番機と呼ばれる四番機の位置はルーキーに取っては憧れの配置だ。

見張りを任される重要な配置であり、隊長から信頼されたと言う証明でもあるのた。)



「隊長は大陸での義勇軍参加経験があるのですよね。」


「ああ、内戦に絡んで戦いの練習にはなったが。」


「ロ助の戦闘機はどうでしたか?」


「的だったな。

速度も違えば連度も違う。

油断はしなかったが、被弾も無かったから、まあ自分の

技術には確信を持てたぞ。」


「やはり・・。」


「ウム。

見張りを厳重に行い、高空からの一撃離脱だ。

複葉機時代のドッグファイトは非常時以外は絶対にしてはならぬ。

ドッグファイトに陥った時点で自分が他機から狙われてると覚悟しろ。

訓練での捻りこみとか曲技飛行は緊急時のための訓練と思え。

対戦闘機戦闘は見張りに始まり見張りに終わる。

ただ見るだけではダメだぞ。

そうだな。

カンも鍛えておけ。ハエや蚊が居たら絶好の練習台だ。

いいか。ハエや蚊を見かけたら敵だと思え。

そして敵を自分の手先に誘導したり待ち伏せしろ。

それが出来たらハエや蚊など、片目でも簡単に捕らえられる。

逆に言えばそれ位も出来ない人間は戦闘機パイロットには向いておらん。

輸送機か爆撃機の馬車引きに転向させる。

分ったな。スギ。」


「分りました。隊長。」


後に岩本、西澤、坂井に続くエースとなる杉田庄一の若き日の話である。


いよいよ明日、早朝は艦隊決戦の日。


時は昭和17年、6月4日。





杉田に岩本が指導する話はフィクションです。

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