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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
980/2051

第980話 ラルバの思惑、歌姫再来訪(2)

「それじゃ、ラルバ様。俺は今日はこれで失礼させてもらいます。一応学校抜け出して来た形なんで。まあ、また何かあったら呼んでください。スケアクロウとしての仕事でも、『死神』としての仕事・・・・は最近はないか。契約者としての仕事でもね」

 壮司はそう言うと自身の変身を解除した。壮司が元の姿に――制服を着た高校生の姿に戻る。壮司の手元、正確には右手の人差し指だが、そこには変身媒体である銀の指輪が嵌められていた。これは守護者ランキング4位『死神』としての変身アイテムだ。守護者ランキング50位スケアクロウとしての変身アイテムは、壮司のズボンの右ポケットに入っている。

「ああ、分かった。君を地上に帰そう。ありがとう、また頼むよ壮司」

「へいへい、了解でーす」

 壮司の体が光に包まれる。そして数秒後、壮司は光の粒子となって神界から姿を消した。

 ――ソレイユと影人が秘密の繋がりを持つように、ラルバも壮司という人間と秘密の繋がりを有していた。

 ソレイユ、ラルバ、レイゼロール、それぞれ3神の目的。果たして、最後にその目的を叶えるのはいったい誰なのか。それが分かるのは、きっと全てを懸けた最後の戦いの時だろう。それまでは、神すらも分からない。











「ふぁ〜あ・・・・・いい感じの天気だぜ」

 10月20日土曜日、午後3時過ぎ。アメリカ、ワシントンD.C.でのカケラ争奪戦から4日後。影人は地元から少し離れた公園のベンチでのんびりと寝転がっていた。影人は冬の昼間の温度が好きだった。

「このまま昼寝してもいいな。ああ、素晴らしきかな冬の陽光・・・・・・・・」

 肌寒さと暖かさが混じり合った絶妙な心地よさは自然と眠りを誘って来る。幸い寂れた公園なので土曜日でも人はほとんどいない。影人が前髪の下のまぶたを閉じようとしたちょうどその時、影人の眠りを妨げるように、ピロンと電子音が鳴った。

「メール・・・・? 誰からだ?」

 影人は疑問を覚えながらもスマホを開いた。暁理ならばメールをするというよりも影人に電話を掛けて来る。ゆえに、影人は自分にメールをしてくるという奇特な人間が誰だか分からなかった。

「っ、金髪・・・・・・・・・?」

 メールの差出人はソニアだった。いったい何の用だ。まさか4日前の戦いで影人がスプリガンという事がバレてしまったのか。影人は緊張しながらもメールを開いた。

 そこに書かれていたのは、果たして影人が考えていた事とは全く違う内容だった。メールに書かれていたのは、簡単な挨拶の言葉。そして、昨日から自分が日本にいる事。まだ公に理由は発表していないが、自分がしばらく日本に留まるといったような内容で、出来れば今日時間が少しあるから影人と会いたいというものだった。急な話で申し訳ないし、予定があるなら無理にとは全く言わない。そう書かれていた。

「本当にえらい急だなおい・・・・・しっかし、何で金髪は俺なんかに会いたがるかね。適当に他の同級生にでも会えばいいのによ」

 ソニアのメールを確認した影人はそう言葉を漏らした。あの小学校の夏祭りで偶然的に出会って連絡が取れるのは今のところ影人くらいなのだろうが、調べたりすれば分かる事もあるはずだ。それを抜きにしても、わざわざ貴重な時間を割いて自分に会いたがる理由が分からない。前回はまあ色々とあったから別だが。影人は本気でそう思っていた。

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