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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
947/2051

第947話 集う十の闇(4)

「殺花、フェリート、席に戻れ。スプリガン、貴様は空いている席に適当に掛けろ」

 レイゼロールは部屋の1番奥の上座の空席に腰掛けると、立っている3者にそう言った。殺花とフェリートは「はっ」、「了解致しました」と返事をすると、空いている空席の元まで歩きそこに座った。

(適当に掛けろって言われてもな・・・・・・・)

 一方、影人は心の内で困ったようにそう呟いた。円卓は簡素なイスが適当な感覚で置かれており、全部で14席ほどある。その内の10席は既に埋まっているので空席は4席だ。空いているのは、冥の左隣、フェリートの右隣、影人が今日初めて会った黄色に近い金髪の少年のような闇人の左隣、そして――

「どこに座るか悩んでいるのなら、私の隣にいらっしゃいな。取って食べたりはしないから」

 シェルディアの右隣。シェルディアは笑みを浮かべながら、影人にそう言ってきた。

「・・・・・・・・なら、あんたの隣に失礼させてもらおう吸血鬼」

 影人は仕方ないといった感じで軽く帽子を押さえながら1度瞬きすると、シェルディアの隣の席に腰を下ろした。影人の右隣に座っていたゾルダートは影人を見て軽くニヤついていた。

(ありがてえ。やっぱ持つべき者は嬢ちゃんだぜ・・・・・・・・)

 内心でホッと息を吐きながら、影人は内心でシェルディアに感謝した。隣に座った影人に、シェルディアは変わらず微笑みかけてくれたが、影人はここで笑みを浮かべる事は出来ないので、無視せざるを得なかった。

「・・・・・・全員席についたな。お前たちの中には色々と言いたい事がある者もいるだろう。だがその前に・・・・・・・・・こうしてお前たち『十闇』が揃ったのはおよそ100年ぶり。まずはその事を祝いたい。よく集まってくれたな」

 円卓に着いた影人を除く全員に視線を向けながら、レイゼロールはそう言葉を述べた。レイゼロールの言葉に反応した者もいれば、反応しなかった者もいた。その自由さ、いやバラバラ感とでも言うべきものが『十闇』という者たちの性格を示していた。

「第10の闇『道化師』のクラウン、第9の闇『殺影』の殺花、第8の闇『魔女』のキベリア、第7の闇『剣鬼』の響斬、第6の闇『狂拳』の冥」

 レイゼロールが席に着いている『十闇』を下の位から順々に呼んでいく。

「第5の闇『強欲』のゾルダート、第4の闇『真祖』のシェルディア、第3の闇『闇導姫』のダークレイ、第2の闇『万能』のフェリート、そして第1の闇『破壊』のゼノ」

 レイゼロールは『十闇』全ての者たちの2つ名と名前を呼び終えると、こう言葉を続けた。

「お前たちに告げる事がある。シェルディアの隣に座る黒衣の男・・・・・・スプリガンを我らの陣営に加える事になった。今日この瞬間より、()()()()()()()()()()()()()()

 レイゼロールはこの場にいる者たちに向かって、唐突にそう宣言した。












「・・・・・・さて、今ごろ影人はレイゼロールの本拠地ですか。シェルディアもいるので大丈夫だとは思いますが・・・・どうか、上手くやってくださいよ影人・・・・・・・」

 神界。その自身のプライベートスペースで、創った椅子に座りながら、ソレイユはそう言葉を漏らした。

(しかし、やはりレイゼロールの本拠地は厳重のようですね。影人が転移の穴を潜った瞬間に、影人との視聴覚の共有が切れた。恐らくは全ての繋がりを遮断するような結界を施しているのでしょうが・・・・・)

 自身の神力を影人に分け与えたソレイユは、影人との見えない繋がりがある。その繋がりがあるから、ソレイユと影人は念話が出来るし、ソレイユは影人の視聴覚などを共有できる。しかし、少し前にその繋がりは一時的にだろうが遮断されてしまった。

「・・・・・・・・昨日影人が光導姫と守護者を攻撃した事で、状況は変わりました。もう後には引けない。・・・・・スプリガンは、既に光導姫と守護者の()()()()()のですから」

 ソレイユは今朝全ての光導姫たちに伝えたその事実を言葉に出しながら、神妙な顔を浮かべた。

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