表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
941/2051

第941話 カケラ争奪戦 中国4(3)

「・・・・・・・・レイゼロール。あと3分だったな。とりあえずその時間は稼いでるやる。だがお前も少しだけ手伝え。造兵を何体か召喚しろ」

「・・・・・分かった」

 影人はボソリとレイゼロールにそう告げた。予想外の事態になったが影人がやる事は変わらない。レイゼロールは影人の言葉に頷くと、骸骨兵を20体ほど召喚した。

「・・・・・俺は主にあの黒フードを見る。だから、お前は意識を少しだけ光導姫と守護者に向けとけよ」

「・・・・ああ」

 影人はレイゼロールに小さな声でそう言葉を続けると、闇のモノたちを再び召喚した。今度は100体ほどだ。そして、続けて他の闇のモノたちよりも強力な個体を2体レイゼロールの側に召喚した。ゼルザディルムとロドルレイニ戦で召喚した、闇色の甲冑を纏い剣と盾を装備した騎士たちだ。ただし、剣に『破壊』の力は付与していないし、爆発の小細工なども施していない。

「さて・・・・・・・ロンドン以来だな、黒フード。そろそろお前の素顔でも拝ませてもらおうか」

「・・・・・・」

 黒フードの人物に影人がそう言うと、黒フードの人物はスゥと影人に左手を向けて来た。

(っ、何だあの左手・・・・・・・・?)

 黒フードの人物の左手を見た影人はそんな事を考えた。注視していなかったので今まで気づかなかったが、黒フードの人物の左手は前に見た時とは違っていた。

 その左手は前は普通に肌が露出していたはずだが、今は黒い凶々しいガントレットに覆われている。ガントレットの手首付近には、燻んだ銀色の鎖が巻き付いていた。

 凶々しいガントレットが黒いオーラのようなものを放つ。すると次の瞬間、

「ッ・・・・・・・・・・!?」

 影人の体を凄まじい重力が襲った。その余りの重さに、影人は片膝を地面につけてしまった。

(何だこれは!? とてつもなく体が重い・・・・・! 今にも潰れそうなほどに・・・・!)

 理解が追いつかない事態に影人は混乱した。 

「・・・・・・!」

 決定的な隙を晒すスプリガン。そこを狙うかのように、黒フードの人物のガントレットに巻きついていた鎖が、まるで意志を持つかのように影人の方へと伸びて来た。影人はその場からすぐには動けずに、左腕を鎖に縛られてしまった。

「ッ、スプリガン・・・・・?」

「気にするな・・・・・! お前はさっさと気配を探り続けろ・・・・・・・・!」

 影人の異常に気がついたレイゼロールがそう声を掛けて来た。だが、影人はレイゼロールにそう言葉を返すと、自分が召喚したモノたちに菲と葬武を襲うように内心で指示した。

 それと同時に、黒フードの人物は左手を思い切り引き、影人を自分の方へと手繰り寄せた。凄まじい重力で碌に身動きが取れない影人は、素直に黒フードの人物の元へと引き寄せられてしまった。

「・・・・・!」

 黒フードの人物は右手で大鎌を構えた。このまま引き寄せた影人を切り裂くつもりだろう。

(ちくしょう体の重さが消えねえ! 範囲じゃなく俺個人を対象にしてんのか・・・・・!? 何にせよ、このままじゃお陀仏だ・・・・・・・!)

 どうしようもない程に危機を感じた影人は、どうやってこの状況を打開するか高速で頭を働かせた。

「クソッタレが! 今度は倍くらい増えやがったぜ。本当にどうしようもねえなおい!」

「雑兵ばかり呼び出した所で・・・・・!」

 一方、影人とレイゼロールの造兵たち合計約120体を一気にぶつけられた菲と葬武は、また造兵たちの相手をせざるを得なかった。その間に、影人の2体の闇の騎士たちに守られたレイゼロールは、最低限の意識を光導姫と守護者に向けながら、再びカケラの気配を探るべく集中した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ