表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
898/2051

第898話 覚醒する光(4)

「この光炎を宿した拳でッ! 太陽のように輝く拳でッ! あなたの闇を打ち晴らして見せる!」

「ふざけるなッ! あんたたち如きの光で、私のぜつぼうが晴れるものか! 闇技発動、ダークアンチェイン・パワーモード! ダークブレット・デストロイ!」

 立ち上がったダークレイは怒りの言葉を吐き出しながら、自身の身体能力をパワー特化型に変更した。更に、右手の闇を一段と強化する。ダークレイの右手は高密度の闇が纏われ、その威力が強化された。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 雄叫びを上げながら、自身の拳を強化した陽華とダークレイはお互いに向かって近づく。そして、近づいた両者はその拳を放ち合うのだった。

 必殺の威力を持った拳と拳が激突し合う。拳と拳が衝突した場には凄まじい力場が発生し、エネルギーの余剰が衝撃波となって世界に奔る。赤いエネルギーの衝撃波と黒いエネルギーの衝撃波が対比するようなコントラストを描いた。

「っ、この・・・・・! さっさと死という闇に沈め!」

「沈まない! あなたこそ、光に包まれて!」

 ダークレイと陽華がお互いの拳に全力の力を込めながら押し込み合う。力は拮抗している。ならば、互いの拳の均衡を破るのに必要なのは、拳に力を与える想いの力だ。

「誰が包まれるものかッ! 私はもう2度と光には包まれない! エイルが死んで、真実を知ったあの時から私は・・・・・! 闇色の世界の底にいるッ!」

「くっ・・・・・・・・」

 ダークレイが自身の絶望の記憶を燃やし、闇の力を増幅する。自分の死んだ、レイゼロールに殺された親友の名を呼びながら。その結果、ダークレイの拳が陽華の拳を少し押し込めた。陽華は苦しげな表情を浮かべる。

「あなたが何で闇人になったのか、私には分からない! でも、私は知ってる! 闇の力があなたがいま発しているような負の感情を力としていても、それでも私を、人を助けてくれる人を! あの人に、スプリガンに追いつくためにも! もっとあの人の事を知るためにも! 困っている人たちを助けるためにも! 私は、私たちはこんな所じゃ終われないッ!」

「ぐっ・・・・・」

 それに対し、陽華は自身の希望の記憶を燃やし、光の力を増幅する。自分たちを何度も助けてくれた怪人の名を呼びながら。その結果、押し負けていた陽華の拳は徐々にダークレイの拳を押し戻していき、遂にはダークレイの拳を押し込んでいった。


「「負けて・・・・たまるかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」」


 いかなる奇異なる運命か、ダークレイと陽華の言葉がシンクロした。そして、限界にまで高められた両者の拳は少しのバランスで狂い、逸れ合った。

 その結果、両者の拳は互いの顔面に直撃した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ