表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
896/2051

第896話 覚醒する光(2)

「光り輝く炎よ! 我が体に宿れ!」

 陽華がそう叫ぶと、陽華の全身に炎のような真っ赤なオーラが纏われた。これは『光臨』によって会得したダークレイやスプリガンと同様の身体能力強化の力だ。 

「闇技発動、ダークブレット! 再び地に倒れろ光導姫!」

「倒れない! もう2度とッ! 次に倒れるのはあなただよ!」

 ダークレイが闇纏う拳の連撃を放つ。ダークレイと同様に身体能力を上げている陽華は、しっかりとその連撃に反応し、ダークレイの拳を避け、或いはいなす。

「水の流星、氷の流星よ。我が敵を水撃すいげき氷撃ひょうげきせよ!」

 後方に控えている明夜が両手で杖を握り、祈るように詠唱する。すると、明夜の右斜め上の空間に丸い水の球体のようなものが、左斜め上の空間に丸い氷の球体のようなものが出現した。どちらも大きさはそれ程ではない。直径で言えば30センチくらいだろう。その2つの水と氷の球体のようなものは、次の瞬間にダークレイと陽華の方に向かって凄まじい速度で加速していった。

「一瞬引いて陽華!」

「っ! 分かった!」

 明夜が陽華に注意の言葉を投げかける。その言葉を聞いた陽華は、バックステップで一瞬だけダークレイから距離を取った。

 そして、陽華と入れ替わるようなタイミングで、水の球体と氷の球体のようなものは、ダークレイを急襲した。その様はまるで空に流れる星のようであった。

「ッ!?」

 水と氷の流れ星、その速度は身体を強化しているダークレイからしてみても脅威に感じられるものだった。ダークレイは何とか氷の流星の方だけは回避する事に成功したが、水の流星は左肩に掠ってしまった。

「ぐっ!?」

 ダークレイの肩に掠った範囲は、30センチ程の大きさの内の5センチほどであったが、ダークレイはベキリと自分の体から嫌な音が響いたのを聞いた。間違いなく骨が折れた音だ。水の流星はダークレイの肩口を貫くのではなく、ハンマーのように強烈な打撃としてダークレイを打ったのだった。

 更に不幸なことに、その箇所は光司が渾身の一撃を以てダークレイの体を切り裂いた箇所であった。浅くではあったが傷口に鈍器のような水が当たった事により、ダークレイは凄まじい激痛を感じたのだった。

「そこっ!」

 痛みに生じた隙を見逃さずに、陽華が左の回し蹴りをダークレイの右脇腹に放った。陽華の強化された身体能力から来る蹴りはダークレイに確かなダメージを与えた。

「っ!? 調子に乗るな! 闇技発動、ダークアンチェイン・スピードモード!」

 陽華の強烈な蹴りを受けよろめいたダークレイは、自身の身体強化をスピード特化に切り替えた。そしてダークレイは凄まじい速度で陽華の脇を抜け、後方の明夜に距離を詰めた。

「遠距離型の光導姫は近づかれたら何も出来ないでしょ!」

 まずは面倒な後衛から叩く。ダークレイは狙う相手を切り替えた。

「それはさっきまでの私の話よ。今の私なら――」

 自分に一瞬で距離を詰めてきたダークレイに、しかし明夜は焦ることなく、自分の左手を正面のダークレイに向かって突き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ