表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
793/2051

第793話 竜の弱点を探せ2(2)

(せめて20秒くらいは耐えて欲しいとこだな。後、あの剣で死ぬ気で擦り傷の1つでもつけてもらえりゃ御の字。あいつらでも自分たちにダメージを与えられると知れば、()()をやる時の警戒度が上がるしな・・・・さて、そのためには俺も援護してやるか)

 影人はいま自分がいた位置から大体50メートルほど後ろに下がって距離を取ると、狙撃銃を構えた。影人に追尾するようについて来た『破壊』の力を宿した5本の剣も、影人の傍に再び留まった。この剣は迎撃と攻撃用だ。

「『破壊』の力、今度は込めねえが・・・・・今度はその分、面白いもん見せてやるよ」

 影人は次に放つ弾丸にあるイメージを込めると、狙撃銃のトリガーを引いた。更に、自分の周囲に停滞させていた5本の剣の内、3本もゼルザディルムとロドルレイニの方へと向かわせた。さすがに距離が離れすぎているので、いま放った3本の方は自動攻撃の方に切り替えざるを得なかったが、それでも多少は役立つはずだ。ちなみに、この剣を影人が自由自在に動かせる限界射程距離は20メートルくらいだ。

「「ッ!」」

 影人が後方から放った攻撃に、ゼルザディルムとロドルレイニが気がつく。2竜は闇の騎士たちからバックステップで少し距離を取ると、影人が放った攻撃に対応しようとした。

 まずは3射目となる闇の弾丸。しかし、ゼルザディルムとロドルレイニはそれは無視した。なぜなら、弾丸はゼルザディルムとロドルレイニの丁度中央の空間を進んでいったからだ。影人が狙いを定めた時、ゼルザディルムとロドルレイニは闇の騎士たちと軸が合っていた。ゆえに、影人はどちらも狙撃をする事は出来なかったのだ(まあ、闇色の騎士ごと撃ち抜けばいいと言われればそれまでだが、今回はそれはしたくなかった)。

 ならば、なぜ影人は引き金を引いたのか。その理由はすぐに分かる事になる。

「ふっ・・・・!」

「はっ・・・・!」

 ゼルザディルムとロドルレイニは、自分たちに突撃して来た3本の剣に意識を向けた。2竜は燃える右手と凍気渦巻く右手を振るう。すると方陣のようなものが出現し、そこから炎と凍気の奔流のようなものを放った。

 3本の剣が炎に焼かれ、氷に凍らされる。ゼルザディルムを狙った1本は炎に溶かされ焼失したが、ロドルレイニを狙った2本の剣は氷を砕き破壊すると、そのままロドルレイニに向かった。炎とは違い、凍気の奔流は1度物質を凍らせるという状態に移行させる。つまり剣は氷に包まれる。そして氷は物質なので『破壊』の力で破壊する事は可能だ。竜形態の時のロドルレイニのブレスの時と同じだ。

「全く、厄介な・・・・・・・!」

 ロドルレイニは向かって来る2本の剣を回避した。だが、ロドルレイニが回避したと同時に闇の騎士はその剣を振るっていた。当然、ロドルレイニはその攻撃に反応できる。ロドルレイニは騎士が振るって来た剣を無造作に左手で掴んだ。

「っ・・・・・・!?」

 途端、ロドルレイニの左手から真っ赤な血が流れ出す。ロドルレイニの人竜形態の皮膚は竜の鱗が変質したもの。ゆえに、たかが造兵の剣如きで傷は受けないと思っていた。

(なるほど。この造兵の剣にも、我らの鱗を貫通させる力を付与させているのですか・・・・)

 ロドルレイニは自身の白い肌によく映える血を左手から流しながらその事を理解した。造兵でも自分たちにダメージを与えられる。なるほど。この事は留意しておかなければならないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 戦いが激化していくぅぅぅ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ