表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
718/2051

第718話 今、全ての真実を1(5)

「・・・・・先ほども言いましたが、レイゼロールは兄の神に『死者復活の儀』を施そうとして、罰を受けました。その結果、レイゼロールは『終焉』の権能を失い、神としての大半の力も失った。ですが、レイゼロールはそれでもなお、『死者復活の儀』を諦めていませんでした。ですが、今度の『死者復活の儀』には問題が2つありました。1つは、復活させる対象が人間でなく神であるという点。人間を復活させるのと、神を復活させるのではわけが違います。神の復活には尋常ならざるエネルギー量が必要になるのです。それだけのエネルギー量は、神であるレイゼロールを以てしても持ち得ない。罰を受けた後の身ならば、なおさらです。2つ目の問題は、関わりの欠如。『死者復活の儀』には復活させる死者と関わりのあるものが必要です。人間を復活させようとした時には、レイゼロールは人間が身につけていた服の切れ端を遺物としましたが、兄の神との関わりのあるものは、()()()()()()でした」

「ッ! そういう事か・・・・・」

 ソレイユの長い説明を聞き、最後にソレイユが言った「もう失った後」という意味を理解した影人は、こう呟いた。

「レイゼロールはその関わりのあるものとして、『終焉』の力を使う気だったんだな・・・・・」

「ご明察です。儀式に必要なものは、決して物質でなくても構いません。その点でいえば、『終焉』の力は兄の神とレイゼロールしか有していない力。関わりがあるものとしては、最適だったといえます」

 影人の言葉を正解とし、ソレイユは頷いた。

「レイゼロールはこの2つの問題をクリアするために、目標を定めました。まず1つは、自身のカケラの回収。全てのカケラを回収しない事には、儀式に必要な関わりである『終焉』の力も使えませんし、神としての力も半減しています。神としての力の半減は、そもそも儀式の失敗にも繋がります。ゆえに、レイゼロールはカケラを全て回収することを目標としました」

「・・・・・・・・それが今の目標でもあるわけだな」

「ええ。そして目標はまだあります。問題は2つ。レイゼロールが設定した目標も2つでなければ、解決できませんからね。残り1つの問題は、兄の神を復活させる莫大なエネルギーをどうするか。その答えとしてレイゼロールは、人の心のエネルギーに注目しました」

「心のエネルギー? どういう事だ?」

 影人は首を傾げた。具体的に、心のエネルギーとは何ぞやと思ったからだ。

「人が強力な感情を抱く時などに発せられるエネルギーの事です。例えば光導姫は、強い正の感情を抱けば光の力が大なり小なりパワーアップします。それは人の心のエネルギーが生じるからです」

「ああ、それの事か」

 影人は納得がいった。影人の場合は本質が闇なので、スプリガン時に強い負の感情を抱けば力が増大する。それは過去に何度かあった。

「レイゼロールはその本質が闇である、闇の女神です。レイゼロールの兄の神もその本質は闇でした。ゆえに、エネルギーとするなら正のエネルギーよりも負のエネルギーの方が都合がいい。そちらの方が親和性があるからです。そして、レイゼロールは思いつきます。人の負のエネルギーを収集する方法を。それこそが、人間の眷属落とし。つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その結果、生まれるのが()()です」

 そして、ソレイユはこう言葉を纏めた。

「レイゼロールは人を闇奴に変える際のエネルギーを貯蓄して、それを『死者復活の儀』のエネルギーにしようとしています。それが、レイゼロールが闇奴を生み出す理由です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ