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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第681話 カケラ争奪戦イギリス5(2)

「クアトルブ嬢・・・・!?」

「大丈夫ですわ! あなたも・・・・大丈夫そうですわね。全く、間一髪でしたわ・・・・」

 転がったプロトが心配するようにメリーを呼ぶ。メリーはプロトに視線を向けながら自分の無事を伝えた。メリーが言ったように、プロトも爆発によるダメージは奇跡的に受けていない。

「作戦会議か何かのとこ悪りぃな。もう大方傷も塞がって来たから、待ってやる義理もなくてよ」

 爆破し燃え上がった車の残骸の向こうには、ニヤけた笑みを浮かべたゾルダートがいた。ゾルダートは右手に巻いていた包帯を外していくと、メリーとプロトに見せつけるように、右のてのひらを見せる。そこにはメリーのサーベルを無理やりに受け止めた時に出来た切り傷があったはずだが、ゾルダートの言うように、その傷はもうほとんど塞がっていた。ついでに言うと、右脛の浅い切り傷の方は完全に治っていた。

「闇人の再生能力・・・・・・・本当、腹立ちますわね。こっちが必死になって与えた傷も、致命傷クラスの傷でない限り5分くらいで治るのというのは・・・・」

 立ち上がったメリーが忌々しげにそう呟く。闇人は完全な光の浄化によってしか斃す事は出来ない。それは一種の不死身だ。つまり、攻撃を与えても時間が経てば与えたダメージは自然に回復していく。

 例え光導姫の浄化の力を宿した攻撃といえども、それは同じ。一気に浄化できる程の浄化力を伴った攻撃でないと、最上位闇人は斃せない。半端な攻撃は、メリーレベルの光導姫の攻撃でも治癒されてしまう。

「おう、闇人はいいぜ。歳も取らねえし基本は不死身だ。ま、色々と雑用はあるがな。どうだ、あんたも闇に堕ちてみねえか? 何なら、俺からレイゼロール様(ミストレス)に頼んでやろうか?」

「お断りしますわ。私、闇に堕ちるほど弱くありませんので。淑女の嗜み国際条約第45条、淑女は死ぬまで気高くあれ。私は人のまま、気高く死ぬと決めていますのよ」

 メリーはハッと笑い、ゾルダートの誘いを一笑に付した。

「そうかい、つまらねえ生き方だな。まあ、俺らみたいな意思をはっきりと持った闇人になるには、強い負の感情だったりが必要不可欠だから、あんたじゃそもそもなれないと思うがな」

 ゾルダートはメリーの答えを聞き、バカにしたようにそう言った。その間に腰のポーチに入れていた弾倉を取り出し、拳銃の空の弾倉と交換した。

「さあ、初めに死ぬのはどっちかねぇ?」

 ゾルダートが右手に拳銃を、左手に血のついたナイフを持ちながら冷たい視線を向けてくる。おそらく、メリーたちが隠れてる間にナイフを拾い直したのだろう。

「・・・・・・プロト。私が先ほど言いたかった事、あなたは理解していますわね?」

「・・・・・・・・・ああ。あの闇人の能力については、見当がついてるよ。あの闇のオーラのようなものは、たぶん身体能力を上げるものだと思う。そして、もう1つは・・・・・ぐっ!?」

 プロトはゾルダートの能力について考察の言葉を述べようとした。だがその時、左脇腹に痛みが走った。プロトは思わず脇腹を左手で押さえた。

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