表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
680/2051

第680話 カケラ争奪戦イギリス5(1)

「はははっ! よく耐えるな! さっさとくたばっちまった方がきっと楽だぜ! 特に守護者サンよぉ!」

「余計なお世話だよ・・・・・・・!」

 高笑いしながら拳銃を乱射するゾルダートに、名指しを受けたプロトは少し苦しげにそう言葉を返した。左腕と左脇腹の刺し傷からは未だに血が流れ続けている。それがプロトの苦しげな声の理由だった。

「プロト! 一旦あの車の裏に退避しますわよ! 少し()()()()()()()もありますからッ!」

「ッ・・・・・分かった。たぶん、僕も同じ事を考えてるよ」

 メリーが自分たちの後方にあった青い無人の中型車を指さす。銃弾から身を守るという事もあるのだろうが、本命は後者の情報を共有したいという箇所だろう。要は今の銃弾を忙しなく避けている状況では、話し合う事が出来ないのだ。

「ッ、そうですの。なら、話はすぐに終われそうですわねッ!」

 プロトの返事を聞いたメリーは軽く笑いながら、ゾルダートに向かって何発か銃弾を発砲した。ゾルダートは「おっと」と戯けた感じで、その銃弾を全て回避した。その瞬間に、メリーとプロトは後ろの車の裏側に身を隠した。

「プロト、端的に言いますわ。私は、いえおそらく私たちですわね。私たちは――」

「――()()()()()()()、だね」

 メリーの言葉を先読みしていたかのように、プロトはそんな言葉を発した。

「ええ、間違いないですわ。やはり気づいていましたか」

 メリーはプロトの言葉に頷くと、早口でこう言葉を続けた。

「先ほどから私は動きや反応が少し低下しています。契機は私が足に傷を負った時でしょう。そして、そう考えればこの現象を私はよく知っていますわ」

「君の能力だね、クアトルブ嬢。君の能力は武器によってダメージを与えた相手を、そのダメージの度合いに応じて弱体化させるものだ。そして、君はあの闇人の銃弾によって傷を負わされ、僕はナイフによって結構なダメージを受けた。正直、身体能力とか反応速度とか、僕はかなり低下していると思うよ」

 プロトはそう言葉を紡ぎながら、自身の体を見つめた。左腕はそれ程でもないが、左脇腹の刺し傷はかなりのダメージだ。自分たちにいま起きている現象が、メリーの能力と同じものだと仮定した場合、今のプロトは一般人より少し強い程度ではないだろうか。

「プロト。結論を急ぎますが、考えられるにあの闇人の能力は――」

 メリーがプロトにそう言葉を述べようとすると、何かがカランと地面に落ちたような音が聞こえた。メリーとプロトがその音のした場所、車の下辺りを見ると、そこにはパイナップルに似た形の手の平サイズの何かがあった。

 そう。その何かは手榴弾であった。

「「ッ!?」」

 それを見たプロトとメリーは反射的に、車から離れるように転がった。

 次の瞬間、バンッとした音が聞こえ車が爆発した。爆風と車のパーツが四方に飛んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ