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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
656/2051

第656話 芸術家ボンジュール3(1)

(何で昨日パリにいたこの変態が日本にいるんだよ・・・・・・!?)

 ロゼの姿を視認した影人は内心そう叫んだ。なぜ、昨日の夜まで確かにパリにいたはずのこの少女が日本にいるのか。訳がわからない。

「ッ、・・・・・あなたはもしかして、あのロゼ・ピュルセさんですか? 有名な芸術家の・・・・・」

「おや、私の事を知ってくれているのかい? それは光栄だね。だが、私は別に有名という程でもないよ。ただのしがない芸術家、それが私さ」

 驚いたようにそう聞いた光司に、ロゼは流暢な日本語でそう答えた。先ほどの独り言を聞いた時にも感じていたが、どうやらロゼは日本語を話せるようだ。

「え、ロゼ・ピュルセってあのテレビのニュースとかで見るあのロゼ・ピュルセさん!? うわあ、有名人だ・・・・・!」

「まさかまさかね・・・・・・文化祭の買い出しに出たら天才美人芸術家に出会った件。なんかこれでお話が1本書けそうね」

 陽華と明夜も、突然の有名人との邂逅に驚愕したような反応を示した。明夜に関しては言葉こそふざけている感じだが、表情はしっかりと驚いている。まあ、それが月下明夜という少女のデフォルトみたいな感じである。

「君、中々面白い感性をしているね。うん、しかし君たちの学生服はいい。美しいデザインだ。私の通っていた中学校コレージュは私服だったから、余計にそう思うよ」

 ロゼは明夜にそう言うと、影人たち4人の制服に興味深そうな視線を向けた。芸術家という奴はよく分からない。ロゼの発言を聞いた影人は心の底からそう思った。

「あなた程の有名芸術家がなぜこんな場所に・・・・・? あ、もしかしてプライベートでしたか? ならすみません。不躾な事を聞いてしまって」

「その心遣いには感謝するよ、ムッシュ。確かに君の言う通り、私はプライベートでこの東京に来ている。詳しく言えないが、ある人物を追って来てね。しかし、その手がかりもないから今は軽く東京中を回っているところなんだ」

 ロゼは光司の事を敬称で呼び、自分がこの場にいる理由をそう説明した。ロゼのその説明を聞いた影人は、ある箇所で引っ掛かりのようなものを覚えた。

(ある人物を追って来た・・・・・・・・? なんか死ぬほど嫌な予感がするが、まさか俺の事じゃないよな?)

 昨日のロゼの様子を思い出す影人。スプリガンに変身した自分にロゼは並々ならぬ興味のようなものを示していた。もしかすると、ロゼがこの場にいるのは自分が原因なのか。スプリガンが出現するのはその特性上、比較的東京が多い。それくらいの事は光導姫であるロゼも知っているはずだ。

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