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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第654話 芸術家ボンジュール2(4)

「・・・・・・・・・・・俺に関わるなって何回も言ったはずだぜ。お前に学習能力はねえのか、香乃宮」

 影人はため息を吐きながら、自分に1番初めに声を掛けてきた光司にそう言葉を返した。そして陽華と明夜の方にも仕方なくこう言葉を返す。

「お前も前にそう言ったはずだ朝宮。あと月下、俺の事を香乃宮か朝宮から聞いたなら知ってるだろ。俺はお前らみたいな奴とは関わらない。初対面だが、それは先に言っておく」

 明夜の反応から既に自分の事を多少は知っているであろうと予想した影人は、明夜に対しては予め自身の態度を伝えた。

「あ・・・・ご、ごめんね帰城くん。つい・・・・・・」

「あら、初対面なのに随分と嫌われたものだわ。今どき珍しいくらいにツンツンしてるのね」

 影人から冷たい拒絶の言葉を受けた陽華は申し訳なさそうな顔を浮かべ、明夜は少し呆れたような表情になった。

「・・・・・そういう事だ。今度こそ肝に銘じとけ」

 影人はそう言い残すと、3人を横切り校門を目指した。これだけ言えば、流石に今日のところは大丈夫だろう。

「・・・・・・・・・・おい、何で俺の後をついてくるんだ」

 しかし、なぜか光司と陽華と明夜の3人は影人の後ろを歩いていた。

「さっき聞いたはずだよ、君も買い出しかってね。僕も、朝宮さんと月下さんも買い出しなんだ。なら、行く場所は同じだろ?」

 光司はニコニコとした顔で、機嫌の悪そうな顔の影人にそう言った。どうやら、光司は影人が買い出しの用事があると確信しているようだ。まあ、この時期この時間帯に外に出るならば、基本は買い出しの用事しかないので予想は用意だろう。

「ちっ・・・・・・最悪の買い出しだぜ」

 影人は自分の不幸を呪った。光司は2年1組で、陽華と明夜は2年5組に所属している。そして、影人は2年7組。クラスが違うはずの自分たちの買い出しのタイミングが、なぜかここでモロ被り。最悪のタイミングとしか言いようがない。

「まあ、そう言わないで。これも何かの縁だよ。一緒に行こうよ」

「ふざけやがれ。馴れ合うつもりはねえって言っただろ」

 ニコニコ顔で後方からそんな事を言ってくる光司に、影人はもはや疲れたようにそう言葉を述べる。香乃宮光司、全く面倒極まる男である。

「・・・・・正直言って、かなり感じが悪い人ね。今のところはだけど」

 光司が影人に話しかけている間、明夜はヒソヒソと陽華にそう話しかけた。話題はもちろん影人の事だ。明夜は陽華から帰城影人なる少年の事を事前に聞いていた。そして先ほどから影人の事を見る限り、どうもあまりいい人間とは言えない。

「あはは、まあ否定はしにくいかな・・・・・・・でも、あの人はたぶん優しい人だよ。そこは間違いないと思うな」

 陽華は明夜の言葉に軽く苦笑いを浮かべるも、影人についてそう評した。陽華の言葉を聞いた明夜は、「ふーん・・・・・・」と思案したように呟いただけだった。

 こうして、偶々一緒になった4人は買い出しのため近くの商業施設を目指したのだった。

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