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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
653/2051

第653話 芸術家ボンジュール2(3)

「構いませんよ。作業も順調ですし。それで、買う物は結局なんですか?」

 影人はいつも通りの少し暗めの声で男子生徒に再び催促した。影人から催促された男子生徒は、「あ、ああごめん! えっと買う物はこのメモに書いてあるから、後は◯◯さんからお金を受け取ってほしい」と慌てたようにメモを渡して来た。男子生徒から買う物が書かれたメモを受け取った影人は、「了解です」と言って地べたから立ち上がった。そして、影人はそのまま文化祭用のお金を管理している女子生徒の元に向かい、必要な千円札を3枚ほど受け取った。その女子生徒も何だかあたふたしていたような気がするが、正直どうでもよかった。

「・・・・・・・・じゃあ」

「う、うん。お願い!」

 影人がそう言って教室を出ようとすると、影人に買い出しを頼んだ男子生徒は軽く頭を下げた。

「・・・・・・・・・・もしかして、案外いい奴だったりするのか・・・・・・・?」

 影人が教室を出て姿を消したのを確認した男子生徒は、ポツリとそんな事を呟いた。











「買い出しね・・・・・・正直、教室で単純作業してるよりはよっぽどいいな。合法的なサボりにもなるし。あのクラスメイト・・・・・・・名前は知らねえが、感謝だな」

 教室を出た影人は廊下を進みながら昇降口へと向かっていた。廊下には各クラスの生徒たちが文化祭の出し物の準備を行なっておりかなり賑やかだ。窓の外から見える中庭でも生徒たちが何かの作業をしている。ザ・学校、ザ・青春といった感じだ。まあ捻くれ者の前髪野朗はその光景には、どいつもこいつも面倒事が好きだなくらいの感想しか出てこないのだが。

「さて近くの商業施設は・・・・・げっ」

 影人が自分の下駄箱から靴を出しそれに履き替え外に出ると、自分の視界内にある3人組が映った。その3人の姿を見た影人は露骨にそんな声を漏らす。そこにいたのは影人がこの学校で1番関わりたくない者たちであったからだ。

「! やあ、帰城くん。靴を履いているということは・・・・・・・君も買い出しかな?」

 そんな影人の声に気がついたのか分からないが、その中の1人――香乃宮光司が爽やかな笑顔を浮かべながら後方にいた影人にそう話しかけて来た。光司が影人に話しかけた事によって、残りの2人の女子生徒も後ろを振り返り影人に気がついた。そしてその2人も影人に声を掛けてくる。

「あ、こんにちは帰城くん!」

「こんにちは、その長すぎるイカした前髪・・・・・・あなたが帰城くんかしら?」

 残りの2人の女子生徒――風洛高校名物コンビである朝宮陽華と月下明夜は影人に向かってそう挨拶してきた。

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