表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
638/2051

第638話 カケラ2つ、休暇の終わり(4)

「・・・・・戻っていたか、ゾルダート」

「ええ、レイゼロール様(ミストレス)。招集の合図より、時間は掛かってしまいましたが、このゾルダート本日を以て帰還しました」

 ゾルダートが部屋に戻ってから4時間ほど経った頃、レイゼロールが戻って来た。レイゼロールが戻って来た事を殺花から伝えられたゾルダートは、広間に戻り、石の玉座に腰掛けるレイゼロールに恭しく頭を下げていた。

「・・・・・・・薄っぺらい言葉遣いは、100年ほど経っても変わらないようだな。別に我は貴様の本性を知っている。普段の言葉遣いでも構わんぞ」

「いえいえ、俺はクズですがその辺りはしっかりしてるので、言葉遣いはこのままにさせていただきますよ」

 ゾルダートは言葉と同じように薄っぺらい笑みを浮かべる。ちなみに今のゾルダートはスーツ姿ではない。今のゾルダートは、ラフな黒いシャツにカーキ色のズボンといった格好だ。髪の毛も無造作な形になっているし、メガネもしていない。カッチリとしたスーツ姿ではなく、こういった姿の方がゾルダート本来の姿なのだ。

「してレイゼロール様。俺が、いや俺たちが呼び戻された理由はいったいどのようなもので?」

「・・・・・・よかろう。お前にもその理由を教える」

 ゾルダートは早速といった感じで、レイゼロールにそう質問を行った。ゾルダートのその問いかけに、レイゼロールは何度目かになる「十闇」招集の説明を行った。

「ほうほうほう・・・・・・・・スプリガンにいずれ目障りになりそうな2人の光導姫ですか。なるほどなるほど。正直、後者はあんまり興味を惹かれませんが、前者は非常に面白そう・・・・いや興味が惹かれそうだ」

 レイゼロールの話を聞いたゾルダートは、顎を右手でさすりながらニヤニヤとした笑みを浮かべた。そんなゾルダートの様子を見たレイゼロールは、一応ゾルダートに軽く釘を刺した。

「お前が冥と同じ戦闘狂という事は分かっているが、今はまだ手を出すなゾルダート。奴は強い。この前またスプリガンと少し戦ったが、奴は更に強くなっていた。カケラを2つ取り込んだ我と同レベルか、またはそれ以上だ。ゆえに、東京にいるシェルディアの気まぐれが発動するか、ゼノが帰ってくるまでは、奴に手を出す事は禁じる」

「そいつは残念。レイゼロール様や他の『十闇』共も退けた強者の出現に心躍らせていたのですが・・・・・・・あ、そうだそうだ。レイゼロール様、今の言葉を聞く限り、長年の探し物が2つ見つかったのですよね? おめでとうございます。祝いの言葉を忘れていました」

 レイゼロールから釘を刺されたゾルダートは、言葉通り残念そうにため息を吐いた。そしてすぐさま表情を切り替えると、薄い笑みを浮かべそんな言葉を述べた。

「どこまでも薄っぺらいが・・・・・・一応、その言葉だけは受け取っておく」

「それでカケラに関する事で1つお伝えしたい事がありまして。これでも仕事に関しては、俺は真面目な方だと自負してましてね。この100年ほど、俺は各国を回りながらあなた様の探し物を探しておりました」

 ゾルダートはそんな言葉を続けながら、足元に置いていた鞄を漁った。レイゼロールはそんなゾルダートに訝しげな表情を向ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ