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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第599話 歌姫オンステージ17(2)

「――へえ、じゃあ帰城くんとあんたは小学生の時の知り合いなんだ」

「うん♪ 日本に来て、本当にたまたま出会っちゃってさ。影くんには成長した私の歌を聞いてほしかったし、真夏たちと同じようにライブに招待したの」

 ソニアから影人との関係について話を聞いた真夏が、そんな反応をした。もちろんこの場でその話を聞いたのは真夏だけではなく、アイティレや風音も聞いていたが、2人は影人と直接の知り合いではないので、どう反応していいか分からなかった。

「ふーん、なるほどねえ。水臭いじゃないのよ、帰城くん。ソニアと知り合いなら教えてくれても良かったのに」

「いえ、実は俺最近まで彼女と知り合いだったって事を忘れてまして・・・・・・それに、会長と彼女が知り合いとは全然知りませんでしたし」

 真夏の言葉に、影人は苦笑いを浮かべながらそう弁明した。まあ、真夏とソニアが知り合いだと知らなかったという部分は、完全に嘘だが。他所行きの口調なので、ソニアの事を普段呼んでいる呼び方では呼ばず、三人称で呼んだ。影人の弁明に真夏は、「ああ、そっか。確かに、私とソニアが知り合いって事も帰城くんは知らなかったものね」と納得したようだった。

(ったく、何でこんな事に・・・・・・・・・・)

 表向きの態度と乖離したような言葉で、影人は内心大きなため息を吐いた。こんな筈ではなかった。なぜ、自分はいま最上位の光導姫たちとイスを並べて話し合っているのか。ストレスで胃に穴が空きそうである。

 こんな時は、ウエストポーチの中にいるイヴが何かしら影人にちょっかいの言葉を掛けてくるものだが、今回は何も言っては来ない。半径1メートル以内に影人がいる時は、イヴは影人の視覚と聴覚を共有する事が出来るので、この状況はイヴも見聞きしているはずだが、何も言ってこないという事は、影人のこの状況を笑いながら見ているのだろう。容易に想像できる。

「帰城くんとこんな所で会ったって副会長が知れば、絶対に残念がるわね。僕も行きたかったって、言うに違いないわ」

「それは・・・・・・・どうですかね」

 真夏が言った副会長――香乃宮光司の顔を思い浮かべながら、影人は曖昧な笑みを返した。確かに、なぜか自分と仲良くなりたがっている光司ならば、そんな事も言うかもしれない。

「あ、ええと質問というか確認なんですけど、ちょっといいですか?」

「はい・・・・・? 俺に答えられる範囲なら全然構いませんが・・・・・・・・」

 小さく手を上げて、影人にそんな事を言って来たのは風音だった。ノースリーブのシャツにそれ程ロングではないスカートを履いた私服姿の風音のその言葉に(ちなみに服装と言う話なら、真夏はなぜか風洛の夏服姿であった。理由は分からないが、まあ真夏なので深く考える必要はないだろう。アイティレに関しては、白のワイシャツに水色の長ズボンというシンプルなものだった)、影人は軽く首を傾げながらそう言った。先ほどから、風音の言葉はどこか分からない。

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