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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第598話 歌姫オンステージ17(1)

(ああ、やっぱりな・・・・・)

 3人の姿を確認した影人は、内心大きなため息を吐いた。影人の嫌な予感は的中した。その3人は影人が予想していた人物たちだったからだ。

「中々いい感じだったわよソニア。まあ、褒めといてあげ――って、帰城くん!? 何で君がソニアの楽屋にいるのよ!?」

「・・・・・・・・どうもです、会長」

 その内の1人、影人の通う風洛高校の生徒会長であり、光導姫ランキング10位『呪術師』でもある榊原真夏が、影人の存在に気がついた。驚いた顔を浮かべている真夏に、影人はペコリと軽く頭を下げる。

「え、影くん真夏と知り合いなの?」

「知り合いっていうか、ウチの高校の生徒会長だ。ウチで生徒会長の事を知らない奴はいねえ」

 真夏と同じように、心底驚いた表情を浮かべながら、ソニアも影人に質問をしてくる。影人はソニアに自分と真夏の関係性を簡潔に説明した。

「影くん? それ帰城くんのこと言ってるの?」

 ソニアの影人に対する呼称に、真夏は首を傾げるが、影人に反応を示したのは真夏だけではなかった。

「君は前に道ですれ違った・・・・・まさか、『呪術師』と『歌姫』・・・・いや真夏とソニアと知り合いだったとはな」

「帰城・・・・・? あ、もしかしてあなたが帰城さんの・・・・・!」

「? 帰城さんの・・・・?」

 光導姫ランキング3位『提督』のアイティレ・フィルガラルガと、光導姫ランキング4位『巫女』の連華寺風音も、影人に対してそんな反応を示した。アイティレは普段、真夏やソニアに対して呼んでいる呼び名を途中で訂正したが、それは影人は気にならなかった。影人の事を一般人と認識しているアイティレからしてみれば、その訂正はごく普通だからだ。

 もう1つ、アイティレが口にした「前に道ですれ違った」という言葉も気にはならなかった。アイティレが言ったように、影人は2ヶ月ほど前にアイティレとすれ違った事がある。正確には、アイティレの隣にいる風音ともすれ違ったが、それはどうでもいい。アイティレたちとすれ違ったのは単なる偶然だが、結局アイティレが述べた言葉に疑問点はなかった。

 問題は、風音が言った言葉だ。風音が言った「あなたが帰城さんの」という言葉ははっきり言って意味が分からなかった。当然の事ではあるが、スプリガンとしてではなく、帰城影人として風音と言葉を交わすのはこれが初めてだ。そうだというのに、風音の言葉は何か疑問を抱かずにはいられないものだった。 

「・・・・・・・・私にはよく分からないけど、とりあえず座ってもらったらソニア? イスは余裕で3つは余ってるし、立ちっぱなしっていうのもあれだしね」

「そうだね、レイニー。なんか色々と驚いちゃったけど、とりあえず座って3人とも。せっかくだから、ちょっとお話しようよ♪」

 影人たちの会話は日本語だったため、レイニアには意味が理解できなかったが、3人もソニアの友人という事は知っていたため、そう提案した。レイニアの提案に頷いたソニアは、3人にイスに座るように勧めた。

「しゃーないわね。帰城くんとあんたの関係も気になるし、べしゃってやるわ」

「いいだろう」

「あ、じゃあ失礼するね」

 ソニアにそう勧められた真夏、アイティレ、風音の3人はそれぞれ頷くと、テーブルの周囲にあったイスに腰を下ろした。

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