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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第592話 歌姫オンステージ15(4)

「まあ、そやな。確かにウチも寂しいわ。でも、一生の別れやない。アドレスも交換したし、いつでもウチらは繋がっとる。直接は会えんでもウチらは一緒や。それに、会おうおもたら会える距離やしな」

「そ、そうだよ・・・・・! わ、私なんか住んでるの埼玉だし、東京なんていつでも来れるよ・・・・! わ、私この研修に参加してよかった・・・・・だって素敵な友達が出来たから・・・・・・・・!」

 しかし、この研修で出来た友人たちは、寂しがる陽華と明夜を励ますようにそう言ってくれた。火凛と暗葉の言葉に励まされた2人は、顔を見合わせるとクスリと笑った。

「確かに・・・・・・そうだよね! 行こうと思えば、大阪も埼玉も普通に行ける距離だし!」

「逆に今度は私たちが、大阪と埼玉に行くわ。またみんなで会いましょう」

「おう、きいや。大阪案内したるさかい」

「さ、埼玉も何にもないって言われてるけど、いい所だから、き、来てね」

 それから4人はしばらく話し合って、全員で晩御飯を食べようという話になった。火凛も帰るのは明日で、暗葉も許可はもらったから大丈夫という事なので、そうしようという事になったのだ。

 ただ、晩御飯の時間まではまだ時間があるので、それまでは時間を潰そうという事になった。それならば、駅を1つ跨いだところに大型のショッピングモールがあるから、そこに行こうという流れになった。

「そういや今日からやったな、歌姫様のライブ。ええな、せっかくやからウチもソニア・テレフレアの生歌聞きたかったで」

「確かに、せっかく日本に来てるなら聞きたかったなー。でも、ライブのチケット3日間ぶんすぐに売り切れたって話だし、もう無理だよね」

「確か、光導姫でランキングも2位って話だったわよね。全く、アイティレさんや聖女様といい、天は人に二物も三物も与えすぎよ。クレームつけてやろうかしら」

「さ、流石にクレームは無理だと思うよ明夜・・・・・・・?」

 扇陣高校の第3体育館を出た火凛、陽華、明夜、暗葉の4人はそんな事を話しながら、駅へと向かうべく扇陣高校の校門を目指した。

「――朝宮陽華さん、月下明夜さん。少しだけお話しをいいかしら?」

 すると、後方から陽華と明夜を呼ぶ声が聞こえた。陽華と明夜、それに火凛と暗葉も後ろを振り返った。

 紫色のジャージにツインテールの髪型。そこにいたのは、双調院典子だった。

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