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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第591話 歌姫オンステージ15(3)

「――皆さん、お疲れ様でした。本日で、研修は全て終了しました」

 8月15日水曜日、午後4時30分ごろ。扇陣高校第3体育館内に、扇陣高校校長、神崎孝子の声が凛と響いた。

「2週間に及ぶ研修に誰1人欠ける事なく、最後まで参加してくださった事にまずは感謝を。本当にありがとうございました」

 孝子はピシリと並んでいる光導姫と守護者たちに、頭を下げてそう言った。そして、頭を上げこう言葉を締め括った。

「今の皆さんは2週間前の皆さんよりも、確実に知識をつけ強くなっています。その知識と強さを以て、自分の思いに従ってこれからも戦ってください。私からは以上です」

 笑みを浮かべそう言った孝子に、光導姫と守護者から拍手が送られる。この場には、孝子と新人の光導姫と守護者以外にも、研修の教官役であったアイティレ、風音、真夏、刀時、光司、そして補助役であった穂乃影もいたが、そのいずれも同じように拍手を送っていた。

「いやー、終わった終わった。ほんま、えらいキツい研修やったで」

 研修の全てが終わり解散という事になると、火凛がグッと伸びをしながらそう言葉を漏らした。その顔からは解放感が窺える。

「お疲れさま、火凛。ふふっ、火凛頑張ったもんね。能力も発現したし」

「おおきに陽華。そっちもお疲れさんや。おー、ほんま頑張ったで。最後なんか気合いや気合い。こなくそーって思いながらやったら、なんか発現しよったしな」

 そう声を掛けて来た陽華に、火凛はニカリと笑いそう答えを返す。火凛が能力を発現したのはつい先程で、火凛の能力は陽華と同じように炎だった。

「お、お疲れさま2人とも・・・・・」

「お疲れカツカレーよ」

 陽華と火凛がそんな話をしていると、後ろから暗葉と明夜がそう言って合流してきた。

「あ、お疲れ明夜、暗葉。暗葉も能力の強化おめでとうー!」

「あ、ありがとう陽華・・・・・・・な、何とか出来た。こ、これも私なんかを応援してくれた、3人のおかげ・・・・」

 暗葉は照れるように陽華と明夜と火凛にそう言った。暗葉も火凛と同様に、つい先ほど最後の実戦研修で能力の強化に成功したのだった。

「そんな事ないよ! 暗葉の思いの力だよ!」

「そうよ。暗葉が強くなりたいって思ったから、強くなったのよ」

「そやそや、もっと自信持ちや暗葉。あんたは大した奴やで!」

「み、みんな・・・・・ありがとう」

 陽華、明夜、火凛の言葉を受けた暗葉は、驚いたような表情を浮かべ、笑みを浮かべた。その笑みは今まで見た暗葉の笑顔の中で1番輝いていた。

「でも、そっか。これで、火凛と暗葉とはお別れなんだね・・・・そこは、寂しいな」

「・・・・・・そうね。研修が終わったんだから、2人はそれぞれの地元に帰るんだもんね」

 陽華が寂しそうに呟くと、明夜も寂しそうな顔を浮かべ頷いた。暗葉と火凛は東京とは違う県や府から来ている。今日で研修が終了したという事は、暗葉と火凛とはお別れ、という事だ。

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