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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第546話 歌姫オンステージ6(5)

(この場にいる全員は一応最上位だから、骸骨兵どもが強いっていってもぶっ倒せてる。だけど、骸骨兵どもの物量が多すぎる。このままだとレイゼロールを追う事なんて出来ないぞ)

 焦燥の気持ちが刀時の内から浮かび上がる。刀時たちの本来の任務は、レイゼロールの追う事。またはレイゼロールの目的の妨害だ(目的物があればといった任務もこの中に含まれる)。しかし、このままだとその本来の任務を果たす事など出来はしない。

「――ここかな」

「ッ、何がだよ!」

 骸骨兵たちに対処している刀時に響斬が再び斬りかかる。刀時はその斬撃を回避したが、今度は骸骨兵が回避行動を取った刀時に剣で斬りかかった。

「クッソ、こうなったら・・・・・・・!」

 刀時は周囲の骸骨兵に嫌気がさし、一掃するべく刀を鞘に戻した。そして重心を更に低く(刀時の剱原流は古流なので、重心は元々低い)して、刀時は再び刀を抜刀した。

(剱原流居合術、『斬円ざんえ』)

 刀時が心の中で技名を呟く。刀時は抜刀した刀を自分の前方、半円月状に振るい、体を1回転させた。回転した事により、刀時の後方から攻撃しようとしていた骸骨兵にも斬撃が加わる。

 刀時の真一文字の剣撃は、その技名が示すように円の軌跡を描いていた。その刀の届く範囲にいた骸骨兵たちは全てその骨の体を真横に両断された。

「ま、ここでそれだと思ってたよ」

「なっ・・・・・」

 刀時が回転を終え、硬直した一瞬の隙。響斬はそこを狙い右袈裟の斬撃を振るう。

 まるで刀時の技の弱点を知っているかのような、完璧なタイミング。響斬の一撃は遂に刀時に届いたかに思えた。

 が、

「とでも言うと思ったかい?」

「ッ!?」

 刀時はニヤリとした笑みを浮かべ、刀を逆手に持ち替え、そのまま刀の柄頭を左手で押さえながら、斬りかかってきた響斬に高速の突きを繰り出した。

(剱原流剣術、『突窩とっか。こいつは放った後の隙がでかい『斬円』から繋げられる技だ。あんたはやっぱり剱原流ウチの技をなぜか知ってるみたいだが、この『斬円』から『突窩』の流れは秘伝。知りはしないだろ!)

 響斬の斬撃よりも刀時の刺突の方が速い。響斬も反応から見るに、やはりこの一連の攻撃の流れは知らなかったのだろう。

 そして刀時の刺突は響斬の心臓を正確に穿った。

「何て、知らないとでも思ったかい?」

 ――はずだった。 

 響斬は刀を握っていた左手を即座に離すと、その左手で刀時の左腕を握った。そして響斬はそのまま思いっきり刀時の腕を握りながら、自分の左手を押し込んだ。

「っ!? 嘘だろ・・・・・・!?」

 その結果、刀時の刺突は響斬の体から大きくそのコースが外れる。刀時の刺突は響斬の左の脇腹を少し切り裂くだけに止まってしまった。

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