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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第513話 歌姫オンステージ 前日(4)

「会議と言えば、ソニアも今日から日本に来るって言ってたわね・・・・・」

 昨日、会議が終わった後、風音はランキング2位『歌姫』のソニアに呼び止められた。ソニアは光導姫名として『歌姫』の名を持っているが、彼女は現実でも歌姫という呼び名で呼ばれている。それは、彼女の歌がとても素晴らしいもので、彼女の歌声が心に響くものだからだ。だから彼女は、現実でも世界の歌姫としてよく知られている。

 そんなソニアは今日から4日後の8月15日から3日間、日本でライブをする事が決まっている。日本メディアも大々的にこの事を伝え、日本に数多くいる彼女のファンもその日を今か今かと待っている。

 世界の歌姫であるソニアから、肝心の風音が話しかけられた内容は、明日から、つまり今日から日本に行くからよろしく、というものだった。

「出来ればライブ見に来てねってソニアは言ってたけど・・・・・・・・ソニアのライブのチケットなんか、もうとっくに売り切れてるし。残念だけど、行けないわね」

 ソニアは気軽に風音にそんな事を言っていたが、元々ソニアのライブを見に行く気がなかった風音は、ソニアのチケットの予約すらしていなかった。ニュースで見たが、何でもソニアのライブのチケットは、予約数十秒で全て売り切れたらしい。そんな超人気ライブのチケットを今から入手する事などは不可能だ。よって、風音はソニアのライブに行く事は出来ない。

「それにしても・・・・・・・・アイティレといい、ファレルナといい、ソニアといい・・・・・今年はよく光導十姫がくる年ね。なんかこの感じだと、ロゼもいつか日本に来そうな気もするわ」

 風音は1人そんな事を呟きながら、灼熱の太陽輝く窓の外を見つめるのであった。  














「〜♪ 〜〜♪」

 鼻歌を口ずさみながら、少女はそのリズムに合わせて座席の肘掛けに指を叩く。軽やかなタン、タタンといった音が少女のいる室内に響いていく。

「ソニア、日本に着いてからの予定は――って、あなた聞いてないわね。全く、今後のスケジュールくらいちゃんと聞いてくれないかしら?」

「ああ、ごめんレイニー。ちょっと気分が高揚してたからノッちゃって。日本に行くのは7年ぶりだからさ♪」

 自分に呆れたような目を向けてくる20代半ばのスーツ姿の女性――ソニアのマネージャーである、レイニア・ホワイトにソニアはそう言葉を返した。

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