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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第487話 守護会議(前編)2

 2人が光のゲートを潜ると、そこは暖かな光が煌めく不思議な空間だった。空間は綺麗な円形で、広さはけっこうなものだ。直径2、30メートルくらいの大きさだろうか。そしてその中心には円卓があり、合計11の席が用意されていた。

「おっ、刀時と光司か。よく来てくれたな。今日は会議に参加してくれて、ありがとうな」

 その円卓の真ん中の上座に座っていた金髪碧眼の神――ラルバが砕けた口調で2人にそう挨拶してきた。その笑みは、やはりどことなくヤンチャな小僧を連想させる。

「ういっす、お久しぶりですラルバ様。今日も腹立つくらいのイケメンぶりっすねー」

「守護者『騎士』、ただいま推参しました。本日は会議にお招きいただき、ありがとうございます」

 ラルバの挨拶に刀時はかなり砕けた言葉を、一方の光司は畏まった言葉を述べる。

「ははっ、そうだろ刀時? あと光司、緊張してんのか知らないが、別にそんな畏まった口調じゃなくて大丈夫だって。お前、普段俺にそんな口調で接しないじゃん」

「時と場所と場合の問題です。僕はキッチリとする時はキッチリとする主義なんですよ」

 続くラルバの言葉に、光司は少しムスッとした感じでそう言葉を返す。そんな光司を見たラルバは、ニヤニヤとした顔を浮かべた。

「おー、そうかいそうかい。相変わらず外では格好つけたがる奴だ。昔はよく俺に甘えてきたってのにな」

「え、マジっすかラルバ様? その話詳しくお願いします」

「っ!? いったいいつの話をしてるんですかっ! 剱原さんも興味を持たないでください!」

 ラルバのその発言に興味を持つ刀時。そしてその発言が恥ずかしかったのだろう。光司はその顔を羞恥から赤くするとそう叫んだ。

「やっといつもの調子に戻ったな。それでいいんだよ光司。適度な緊張は大事だが、行き過ぎた緊張はいらないよ。俺たちがこれからするのは、ただの仲間内の話し合いの1つなんだから」

 ラルバはフッと笑いそう言うと、チョイチョイと2人に手招きをした。どうやら光司の緊張をほぐそうとしていたらしい。そしてラルバの思惑通り、過度な緊張が解けた光司は、少し面白くなさそうな顔でラルバの座る円卓の方へと歩いていった。

「光司は俺の右横な。ここが10位の席だから。刀時はもうどこか分かってるだろ? 俺から3つ左横の席な」

「はい」

「分かってますよー。って、今んところ来てるの『凍士とうし』と『天虎てんこ』だけですか。『守護者ガードナー』の奴はもういると思ってましたけど」

 席に着いた刀時が円卓を見回しながら、そんな事を呟く。いま円卓に着いているのは、刀時と光司とラルバを除けば、刀時から2つ横の席の卓に突っ伏している、少し燻んだ銀髪の男と、その横に座る両手を組み両目を閉じた黒髪の男だけだ。

「プロトの奴はどうしても外せない用事があるから、少しだけ遅れるらしい。じゃなきゃ、あいつはとっくに来てるよ。他の奴らに関しては、まあ時間ピッタリ、あと3分くらいで一斉に来ると思うぜ。そうかちょい遅れるか」

 ラルバが刀時の呟きにそう答えを返す。そして、ラルバの横にいる光司は神妙な面持ちで、突っ伏している男と両目を閉じている男を見た。

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