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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第484話 会議前日(4)

「あー、やっぱり千葉県は外れだったし、こりゃ本格的にシェルディア様を捜さないとな・・・・・・・」

 8月9日木曜日、午後3時過ぎ。ちょうど3時のおやつの時間、東京郊外の平屋の自宅にいた響斬は天井を見上げながらそうため息を吐いた。

 響斬は昨日、隣の千葉県のとある場所へと足を運だ。といっても大した場所ではない。千葉市にある神社だ。響斬はそこに、「黒いカケラを祀っている」というネットの情報を確かめにいったのだった。

 だが、結果は残念ながら外れであった。その神社が祀っていたのは、ただの黒ずんだ鏡であった。黒いカケラのカの字もない。全く、やはりネットはガセ情報が多い。まあその分、利便性は凄まじいが。

 千葉県の情報が外れたとなると、響斬が次にするべき事は1つだ。すなわち、残り1つの情報が本当かどうか確かめる事。しかし、この情報が示す地はこの東京からかなり遠く、かつ、()()()()()()。正直に言うと、響斬はそこには行きたくはなかった。響斬はかなり古くはなるが、日本生まれの日本育ちだ。その場所がどういう場所なのかは、よく知っている。だからこそ、あまり行きたくはないのだ。

 もちろんそれ以外にも、現地に向かう途中は基礎稽古が出来ないという理由もある。とにかく、その場所に行けない響斬はこの情報を、レイゼロールに伝えなければならない。しかし、レイゼロールにこの事を伝えるためには、また色々と面倒がある。具体的には、レイゼロールや闇人たちの本拠地に戻らなければならないといった面倒だ。

 そこで、響斬はレイゼロールに情報を伝達する事が出来、なおかつ響斬と同じ東京にいるというシェルディアと接触しようと考えているのだが、これには1つ問題があった。シェルディアが東京のどこにいるのか分からないという問題だ。

「シェルディア様、携帯電話持ってないし本当にどうやって捜そう・・・・・東京でしらみつぶしに捜し回るっていうのは無理ゲーだし」

 そう、シェルディアは携帯電話を持っていない。それもシェルディアを捜す事が困難である理由の1つでもあった。

「考えろ、考えろ僕。シェルディア様を捜す上で何かヒントになりそうなものは・・・・・・・・」

 シェルディアと言えば何が特徴だ。圧倒的な力。高圧的でありながらも、時折りは慈母のように優しい性格。美しい西洋人形のような見た目。

「あ・・・・・・・そうだ、シェルディア様の姿は人目を引く。なら、もしかしたらSNSでシェルディア様の写真とかが転がってる可能性がある・・・・・・!」

 響斬はその事に一縷の望みを掛けて、パソコンのキーボードを叩いた。シェルディアは外見だけならば、絶世の美少女だ。今の時代、美少女の情報というのは、本人の意志に関わらず伝達されやすい。ならば、写真の1枚か2枚SNSにあるかもしれない。そして、そこからシェルディアの居場所に繋がるヒントが見つかるかもしれない。

「シェルディア様の事だから隠し撮り写真とかはないだろうけど、お願いされて一緒に写真撮ったとかは充分あるはずだ。だから、あるとすれば真正面の写真だな」

 あのシェルディアの事だ。自分の姿を隠し撮りするような不埒な者は許しはしないだろう。しかし、シェルディアは人間には基本的に甘いので、普通の写真や画像はあるかもだ。響斬はそこに賭けた。

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