表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
482/2051

第482話 会議前日(2)

「身も蓋もないって言っちまってるじゃねえか。後、俺に緊張なんてもんはない。緊張なんてもんは、とうの昔に水に流しちまったからな」

 ふっと格好をつけたつもりか、気色の悪い笑みを浮かべた前髪野朗。そして、その言動は厨二病全開である。傍から見たらバカじゃねえかと思う。お前の歳で緊張がないわけない。まず水に流さなければならないのは、お前のその性格と言動である。

「あなたは本当に不思議な人物ですね。先ほどは凄まじいまでの察しの良さを見せたのに、なぜそんな痛々しい発言をするんですか? とても同一人物とは思えませんよ?」

「喧嘩売ってんのかクソ女神。てめえに俺の言葉のセンスが理解できねえだけだろ」

 ソレイユの煽るような言葉に、前髪野朗はハッと笑ってみせた。完全にソレイユをバカにした形である。

「誰がクソ女神ですか!? ぶちのめしますよこのクソガキ!」

「おーおー、女神の品性が知れるじゃねえか! 先に喧嘩売ってきたのは誰だか忘れたか? あっ、お前アホ女神だったな。悪い悪い」

「こんの・・・・・! クソだのアホだの、女神に対して無礼が過ぎます! ええい、今日という今日は許しません! 謝りなさい、この見た目不審者!」

「誰が見た目不審者だコラ! 俺の外見は俺の自由だ! つーか俺の見た目は断じて不審者じゃねえ!」

「どう見ても不審者ですよ? あ、不審者が話しかけて来ないでもらえますか?」

「上等だ! 表出ろババア!」

「禁句を言いましたねこの前髪! いいでしょうやってやろうじゃありませんか!」

 ギャースカギャースカと、もはやいつも通りソレイユと影人は言い合いを始めた。全く毎度毎度よく飽きない奴らである。

「はあ、はあ・・・・・ったく、元気な女神だぜ」

「あ、あなたこそ見た目の割に、よく回る口ですね」

 3分ほど言い合い、軽く息切れをしながら影人とソレイユはお互いを睨み合った。未だに、お互い相手に対する文句はまだまだあるが、ここらが潮時だろう。1人と1柱は睨み合いをやめて顔を逸らした。

「・・・・・・・ところで、朝宮と月下が参加してる研修の方はどうなんだ? まあ、俺はその研修が何をするのかはあんま知らないけどよ」

 話題転換の意味を兼ねて、影人はソレイユにそう聞いた。陽華と明夜は8月の頭から研修に参加しているという事だが、影人はその研修の内容までは知らない。まあ、軽い興味というやつだ。

「研修は昨日から実戦研修に移行した辺りですかね。研修の内容は例年と変わりませんから、それで合っているはずです」

 ソレイユも、もういつも通りの調子に戻ると、影人の質問に答えを返してくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ