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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第47話 風洛高校の愉快な生徒たち(1)

3日ほどギャグ回が続きます。読まれたくない方は全然飛ばしてもらっても大丈夫です。

 唐突だがギャグ回である。


「ち、まずいなこりゃ・・・・・・」

 自分の部屋で帰城影人は悩んでいた。

 5月も中盤に差し掛かったころ、風洛高校では明後日に中間試験が実施されようとしていた。

 何がまずいかと言うと、影人は全く勉強していなかった。

 なぜ勉強していないかと言うと、理由は簡単だ。

 まず、なにぶんやる気が起きない。いや、全くもってやる気ゼロだ。それはそれは零地点ぜろちてんを突破してマイナスのエネルギーを氷に変換するごとくである。ちなみにこの例えに特に意味はない。

 その次にテスト一週間前の期間はなぜかものすごくゲームや読書がはかどる。これはテストというものを犠牲にして生み出される一種の快楽なのだ。

 読者諸君もきっと経験があるのではないだろうか。この読者諸君という表現は有名なところでは江戸川乱歩、『少年探偵団』シリーズで用いられていたものだ。

 しかし、現在では廃れた。理由は簡単、なんか偉そうだからである。

 偉そうで投稿ペースの遅いゴミ作者のことは置いておくとして、影人は考えた。

 どうすれば一切勉強せずに赤点を回避できるかと。

 これでも影人は2年だ。テストは今まで1年の中間、期末、2学期の中間、期末、3学期の中間と合わせて5回受けている。その時は高校1年ということもあって多少は真面目に勉強したので何の心配もいらなかったが、別に普通の公立の高校のテストは赤点さえ回避すればチョロいということを知っている今となっては、そんな気力はあるはずがない。

 しかし、赤点を取らないためとはいえ勉強はしたくない。ちなみに風洛の赤点の基準は30点だ。

「あれを・・・・・・やるしかねえか」

 実は人生で一度はやってみたかったある行為。せっかく学生なのだから一度はやってみたいあの行為。だが、バレれば全てを失い夏休みの補習は確定するあの行為。

 そうカンニングである。

「ふ・・・・・・・ついに俺もやるときがきたか」

 今時、クールなだけの主人公などつまらないだけだ。やはり時代は人間味のある愛されクールキャラ。

「悔しいけど、僕は男なんだ・・・・・・」

 クールキャラなんぞは変身した自分に任せておけばいい。あれはスプリガンで俺は帰城影人だ。

「そうと決まれば、明日にカンニングペーパーを作るか・・・・・・」

 ふふっときっしょい笑い声を挙げながら、影人は暗い笑みを浮かべた。







その他にもイカれた奴らを紹介するで!

同時刻。風洛高校2年の一般男子生徒Aは悩んでいた。

「ま、まずい! 明後日はもうテストじゃないか!?」

 明後日からテストが始まるというのに、この生徒はどこぞのバカと同じく全く勉強をしていなかった。

「あ、ああ・・・・・・どうすればいいんだ!?」

 このままではまずい。非常にまずい。もし、このテストを落とせば夏休みの補習はほぼ確定する。そうなれば夏休みの野郎たちによる楽しい旅行の計画がポシャってしまう。それだけは絶対に避けねばならない。

 その時、一般男子生徒Aに一筋の電流が走った。

「そうだ・・・・・! カンニングすればいいんだ!」

 アホである。

 だが、そんな2秒で考え直せばバカなこととわかるようなことを、この生徒Aは実行しようと心に決めた。

「よし! そうと決まれば、明日の放課後にカンニングペーパーを作ろう!」

 なぜか希望に満ちた目で生徒Aは拳をグッと握った。






またまた同時刻。

「「「「「そうだ! カンニングすればいいんだ!」」」」」

 風洛高校2年の男子生徒B,C、D、E、Fたちはそのような発想に至った。

 これぞバカたちのシンクロニシティ。この世で最も無駄な奇跡の1つだ。

「「「「「そうと決まれば、明日カンニングペーパーを作ろう!」」」」」

 そして綺麗に全員同じ結論に至り、これで快眠できると喜んだ。

 ・・・・・・・・・風洛高校の教師陣の方々は大変可哀想だ。


こちらでは投稿ペースは毎日なので、遅くはないと思うのですが、当時は週1回投稿だったので遅いです。ゴミ作者なことは変わっておりません。

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