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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第467話 妹の疑念(2)

「いえ、気にしないでください。では話し合いの前に・・・・軽く自己紹介をしておきませんか? 私たちはお互いの事を知ってますけど、ここにいる彼女は私たちとは初対面ですし、一応意味はあると思うんですが・・・・・・」

 真夏に話しかけられた風音は手を軽く振り、その後で穂乃影を見ながらそんな提案をした。風音、アイティレ、真夏、刀時、光司の5人は全員が10位以内のランカーという事もあり、お互いの事を知っている。

 だが、穂乃影は今日風音を含めたその5人と話すのは初めてだ。故に、穂乃影のためにも自己紹介は必要だろうと風音は思った。

「む? 確かに私は彼女の名前も知らないものね。いいんじゃない? 元々、今日集まった名目は顔合わせなんだし。だったら自己紹介くらいするのは、むしろ当然の事よ」

「僕も同じく賛成で」

「じゃ、俺も光司っちに賛成」

「異論はない」

 真夏が穂乃影に視線を向けてそう言った。そして真夏に続くように、光司、刀時、アイティレも賛成の言葉を述べた。4人の承諾を得た風音は、「じゃあ私から」と自己紹介を始めた。

「扇陣高校2年、連華寺風音です。現在は扇陣高校の生徒会長を務めてます。名字は寺だけど、実家は神社です。ランキングは4位で、光導姫名は『巫女』です。っと、改めてこう言うのは少し恥ずかしいけど・・・・・・よろしくお願いします」

 現在の自分の簡素なプロフィールを述べた風音は、言葉通り少し恥ずかしそうだった。知っている人たちが殆どの中、よろしくと改めて言うのは妙な気恥ずかしさがあった。

「ふむ、次は私か。アイティレ・フィルガラルガだ。現在この扇陣高校に留学している。2年生だ。母国はロシア連邦。日本の文化に興味があったので留学した。ランキングは3位。光導姫名は『提督』だ。よろしく頼む」

 美しい銀髪を窓から入ってくる陽光に照らし、ルビーのように美しい赤色の瞳をした留学生は、テキパキといった感じで自己紹介を終えた。留学した理由はいかにもそれっぽい理由だが、本当は嘘である。アイティレが日本に留学した真の目的を知っているのは、アイティレ本人とアイティレにお願いという名の指示を出したロシア政府。後は、アイティレは知らないであろうが、その目標対象である影人、ソレイユといったごく少数の者たちだけだ。

 まあ、影人とソレイユはあくまで推察であって確定情報ではないという違いはあるが、結果としてその推察は当たっているので、知っているといっても過言ではないだろう。

「アイティレちゃんの次は、順番的に俺かな。俺は扇陣高校3年の剱原刀時。実家は古流剣術を教えてるオンボロ道場。そういった事情もあって、剣を使うのは多少得意。ランキングは3位。守護者名は『侍』。今日は女性陣に色々と言われたけど、無精髭にこそ日常のセクシーさとダンディさがあると、俺は固く信じている! 彼女は生まれてから絶賛募集中だ! よろしくぅ!」

 風音とアイティレの自己紹介より、若干長く、それでいていらない情報をぶっ込んできた刀時。光司は素直に拍手を送り、穂乃影も後輩という立場上軽い拍手を送らざるを得なかったが、他の3人は拍手は送らなかった。風音は「あはは・・・・・・・」と苦笑いを浮かべているだけよかったが、真夏とアイティレはシラーっとした顔で刀時を見つめていた。

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