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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第461話 競えよ乙女、顔合わせ(1)

「そりゃゃゃゃゃゃゃッ!」

 青空の平原の下、陽華はそう雄叫びを上げ全速力で駆けていた。

「負けませんよ・・・・・!」

 そんな陽華に追従するように、典子も走るスピードを更に上げた。

「あの2人またやっとるで・・・・・・・ほんま、飽きもせずようやるわ」

「本当にね。研修2日目から、ずっと午後の研修は競い合ってるし・・・・・・陽華にとってライバル登場ってとこかしら」

 そんな陽華と典子を傍目に見ながら、明夜と火凛も2人の後方を走っていた。と言っても、この木からスタート地点までの往復ダッシュは、あくまでウォーミングアップの意味合いが強いので明夜と火凛は息切れしない範囲で走っている。

 今日は8月7日の火曜日。研修7日目。ちょうど研修開始から1週間だ。今はまた午後の研修である体力作りを行っている最中であった。

「どうせこの後も競い合いよんで。まあ、最初はこの往復ダッシュで体力使いすぎて2人ともグロッキーになっとったけど、研修の成果出て来とんのか、最近はその後のメニューも普通にやりよるからな」

「まあ、皮肉にも研修の成果が出てるってことよ。それより、午前の座学とさっき先生たちに言われた、明日から午後の研修が変わるって意味の方が気になるわ。詳しい事はまた明日って言われたから、今日は気になって夜しか寝られなさそう」

「いや普通に寝れとるやんけ!」

 明夜の言葉に火凛は律儀にツッコミを入れる。その火凛のツッコミに明夜は「確かにそうね」と、納得したような表情を浮かべた。安定のボケぶりである。

 漫才は置いておくとして、2人の会話からも分かる通り、2日目に陽華と明夜が典子とスプリガンについての意見を対立させた日から、陽華と典子は午後の研修で競い合っていた。具体的には、研修のメニューの順位をだ。

 ちなみに明夜は、陽華と典子ほど体力があるわけではないので(研修で明夜も多少は体力が上昇しているが、それは陽華と典子も同じなので結局2人には及ばない)、明夜はその競い合いには参加していない。

「はあー、あんたみたいな子は大阪でも中々おらんで。まあでも、確かに明日から変わるっちゅう午後の研修は気になるなあ。質問しても、明日になれば分かるの一点張りやもんな。何か逆に怖いわ。これ以上にキツい研修やったらどうしよ」

「そればっかりは分からないわよ。でも、研修なんだから楽な事はやらないでしょ」

「やっぱりそうやんなー・・・・・・・・・」

 火凛が嫌そうな顔でそう言った。明夜の言う通り、研修なのだから楽なものはないだろう。座学の場合は確かに聞いているだけなので、楽と言えば楽だが、座学で話されている知識はそのまま戦いに繋がるものが多い。

 ゆえに、聞き漏らしていればそれは自身の損失となる。死のリスクがある光導姫と守護者にとって、その知識は必要ではあっても不必要なものではない。そういった面から言えば、午前の座学も楽と言い切る事は出来ないだろう。まあ、単純に聞き漏らしていれば周囲の人間に聞けばいいだけ、と言ってしまえばそれまでだが。

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