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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第456話 心、燃えて(1)

「いやー、しっかし午前の研修がまさかあないな事になるとは思わんかったわ。えらい変な空気になってもうて、ウチ息苦しくてしゃーなかったで」

「あ、あはは・・・・・・すいませんでした」

 火凛がクルクルとスプーンを回しながら、そんな言葉を呟いた。火凛のその呟きに、その変な空気を作ってしまった内の1人である陽華は苦笑いを浮かべ、火凛にペコリと軽く頭を下げた。

「しゃーないわよ、思ってる事ははっきり言わなきゃ。私たちはただ自分の意見を言っただけよ。どんと胸張ってればいいの」

「う、うん・・・・・・・・ふ、2人は別に悪くないと思う・・・・・」

 陽華の言葉に続いた明夜は、行儀は悪いが箸を少しパチパチと鳴らしながらそう言った。明夜の横で水を飲んでいた暗葉はいつも通り控えめではあるが、明夜の言葉を肯定した。

 4人がいるのは扇陣高校の学食スペースだ。午前の座学を終えた陽華、明夜、火凛、暗葉の4人はそれぞれ昼食を食べながら、そんな事を話し合っていた。ちなみに、陽華以外の3人は普通の定食やらハヤシライスを食していたが、陽華だけはラーメン大盛りにかき揚げ蕎麦大盛りにきつねうどんの大盛りを食していた。どうでもいいが、麺に親でも殺されたのかと思うようなメニューである。

「いや、ウチは陽華と明夜の事を悪く言ってんのとちゃうで。そこは勘違いせんといてや。どっちかって言うと、ウチは暗葉と同意見や。あんたらは別に何も悪い事はしてへんからな」

 少しだけ慌てたように火凛はそんな言葉を付け加えた。慌てた火凛がどこかおかしくて、陽華は「ふふっ、分かってるよ」とつい笑ってしまった。

「ほなええけどな・・・・・・・あー、それとこれ聞いていいか分からんけど、あんたらスプリガンと何か関わりあんのか? さっきの言葉聞いてた身としては、どうもそんな気がしてならんのやけど・・・・・・」

 火凛が珍しく言い淀むように、チラリと陽華と明夜の方を見た。まあ火凛の言葉通り、先ほどの陽華と明夜の発言を聞いていれば、スプリガンと2人に何かあったのかと疑うのは当然だ。

「あ・・・・・そ、それは私も思った。ふ、2人のさっきの言葉には、想いが乗ってた・・・・・・・ふ、普通の想いよりも、もっと強いような・・・・・」

 火凛の言葉に便乗するような形にはなってしまったが、暗葉もやはりそこが気になるようだ。暗葉はキョロキョロと目を動かし、最終的には陽華と明夜の方に視線を向けた。

「・・・・・・・・・・うん。2人の考えてる通り、私と明夜にはスプリガンと関わりがあるの。さっき校長先生が言ってたでしょ? スプリガンはある新人の光導姫たち助けたって。それが、私と明夜」

「「ッ・・・・・・!」」

 陽華のその言葉に、火凛と暗葉は驚いたような表情を浮かべた。

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