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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第454話 研修2日目、会議決定(4)

(妖精・・・・・なら、スプリガンはいったいどんな妖精なんだろう・・・・・・・・・?)

 陽華がそんな事を思っていると、典子とは違う少女がおずおずといった感じで手を挙げた。どうやら何か質問があるようだ。孝子はその少女に「発言をどうぞ」と促した。

「あの、質問なんですけど・・・・・・・スプリガンの写真とか動画はないんですか? その私はスプリガンに出会った事がなくて、実際にどんな見た目なのかを見てみたいなと思ったんですけど・・・・」

 質問者である少女はそのような事を孝子に聞いた。孝子はその少女に「いい質問ですね」と、軽い笑みを浮かべると、その表情を真面目なものに直しこう答えた。

「ですが、残念ながらスプリガンの写真や動画などは一切存在しません。私もスプリガンに出会った事のある光導姫に彼の外見を教えてもらったに過ぎません」

 孝子は続けてこんな事を言った。

 光導姫や守護者が戦う場所は、主として市街地内。ゆえにその周囲には、カメラが点在している事がある。もちろん光導姫や守護者も偶然としてカメラに映ってしまう事はあるが、そういった場合は日本政府が秘密裏にその映像を消去してくれる。

 当然、スプリガンが現れる場所も市街地内が多い。その周囲にはカメラがあった事もあった。だが、スプリガンはなぜかカメラには映らない。その原理は全くもって分からないが、スプリガンは肉眼でしかその存在を捉える事が出来ない。孝子は質問者の少女にそう説明を付け加えた。

 孝子の説明を聞いた少年少女たちは、皆驚いたような顔をしていた。そしてそれは陽華と明夜も例外ではない。陽華と明夜は、スプリガンがカメラなどに映らない事をいま初めて知った。

「・・・・・・・・神崎校長。そのような話も大変興味深いですが、私が聞きたいのは、核心の話でもあります。すなわち――スプリガンは私たちの敵となり得るかどうか」

「「!」」

 孝子の話を聞いていた典子が再び手を挙げ、そう言葉を切り出した。典子の言葉に陽華と明夜は、ドキリと自分たちの心臓が鳴った音を聞いた。 

「噂では、スプリガンは光導姫や守護者に攻撃を行うというではありませんか。さらには、私たち光導姫と守護者に対する敵対宣言も行ったと、私は聞きました」

 典子の発言をきっかけに、再び会議室がざわめく。「敵対宣言? 初耳だぞ」「え? それって敵ってことじゃん」「マジかよ・・・・・ヤベェ奴じゃねえか」といった声が聞こえてくる。少年少女たちの声は不安げだ。確かに、最上位闇人やレイゼロールを退却させた力を持つ人物で、自分たちの現場に不定期に出現する人物が敵になるというなら、それは少年少女たちにとっては不安でしかないだろう。

「確かにスプリガンは光導姫や守護者を助けた事もあったのかもしれません。ですが、本人が私たちの敵になると宣言しているのです。ならば、私たちも然るべき対応を取るべきでは――」

 と、孝子がそう言葉を続けた時だった。

 バンッと机を叩く音が会議室に響き、1人の少女が立ち上がった。

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