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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第439話 研修開始(4)

「おお、そやで。ウチは大阪生まれの大阪育ちや。今回は東京に来る費用やら滞在費やら全部まかなってくれるゆうから、研修に参加したっちゅうわけや。ほんま、わかりやすい女やろ?」

 明夜の質問に頷いた火凜は、軽い自虐を含んだ言葉を笑顔で述べた。といっても、火凜は本気でそう言っているわけではない。火凜の言葉は関西特有の軽口というやつだ。

 最近はテレビなどでも関西のノリ、などは珍しくもなくなってきたので、火凜の言葉は正しく軽口として2人に伝わった。だから、2人はただ面白そうに笑っただけだった。

「おお、ちゃんと笑ってくれるか。ありがたいことやわ。あんたらとは仲良うやれそうや」

「ふふっ、こちらこそ。よろしくね、火凜さん」

 陽華が手を差し出すと火凜は「よろしくや陽華! あとウチの事は呼び捨てでええで!」と手を握り返してきた。そしてその後に、火凜は明夜とも握手を結んだ。

 それから3人は昼食を食べながら取り止めのない話をした。火凛は陽華の昼飯の量を見て、「自分めちゃめちゃよう食べる子なんやな。見た目からは想像もつかんわ・・・・・・」と驚いていたが、まあそれは当然の反応だろう。

「そう言えば、午後の部は何をするのかな? 第3体育館集合って言われてるけど」

「げっ、この学校体育館3つもあるんかいな。流石、光導姫と守護者のための学校やな。金の掛かり方えげつないわ」

「火凛さてはさっきの説明あんまり詳しく聞いてなかったわね。それはそうとして、第3体育館なら体を動かす系じゃない? あそこあの箱あるでしょ」

「箱て何やねん。というか、明夜色々詳しそうやな。あんたも研修参加しとるいう事は、この学校の生徒ちゃうやろ。何で色々知ってそうなんや?」

「あー、私たち普段からここの先輩の光導姫に稽古つけてもらってるから。そういう理由で、この学校には何回も出入りしてるのよ」

 陽華の話題提起に、明夜と火凛が言葉を交わす。陽華も明夜もすっかり火凛とは打ち解け、もう口調はかなり砕けたものになっていた。

「へえ! そりゃええな! ほな、確かに明夜の言う通り体動かす系かもな。普段からここに出入りしてるあんたがそう予想するんやからな」

「――そ、それは困る・・・・・・・・・」

 火凛がそんな事を言うと、ボソリとしたような声が3人の耳に響いてきた。

「あん?」

「「?」」

 火凛が訝しげな声を上げ、陽華と明夜は不思議そうな顔で声の聞こえてきた場所を見た。何だか、先ほどの火凛を思い出すような展開だ。

「あ・・・・・・・ご、ごめんなさい・・・・・・ぬ、盗み聞きするつもりは全然なくて。た、ただつい声に反応したというか・・・・・・・・・」

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