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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
411/2051

第411話 夏だ、補習だ、クソッタレ2(4)

「いや、確かに俺も前髪くんとは仲良くなりたいし、話したいとは思うが・・・・・・・今はやめといた方がいいんじゃないかと俺は思う。たぶんだけど、前髪くんは1人が好きな人種の気がするんだよな」

「そうだな、俺もCに賛成だ。俺たちは前髪くんの人となりをあんまり知らないし、Cの言葉は完全な偏見になっちまうが、俺もそう思うんだよな。前髪くんが1人が好きだった場合、いま俺たちが声をかけるのは逆にストレスになっちまう。なんせ今は明らかにプライベートだろうし」

 だが、CとDはBの意見に反対した。理由はいま2人が述べた通りである。

「うーん、まあな・・・・・・・・俺はぶっちゃけ声かけたいけど、CとDの意見も分かるな。きっと前髪くんも予定とかありそうだし・・・・・・つーわけで、俺もCとDに賛成だ。声かけるとしたら、また学校でかけようぜ」

「それが1番丸いか。じゃあ俺も声かけない方に賛成だ」

 EとFも続くように反対の方に賛成した。過半数の意見は決まったので、Bは「わかった」と言ってこう言葉を続けた。

「それじゃあ、いま声をかけるのはなしだ。Aもそれでいいか?」

「全然。俺たちの道は交叉しているんだ。なら、いずれまた機会はあるさ」

 Aは全てを悟ったようにそう言った。傍から見なくとも、明らかにヤベェ奴だし言動も意味不明であるが、それは今に始まった事ではないので逆に無問題モーマンタイである。

「よし、なら決まりだ。ついでに時間もいい時間だし、そろそろカラオケ行くか。こっから歩いて5分だしすぐだ」

「「「「「了解ー」」」」」

 珍しく普通の気遣いを見せたアホ共はゲームセンターを後にして、カラオケに向かった。











「ん? なんだか視線を感じたような気がしたが・・・・・・気のせいか」

 そんなことを呟きながら、前髪くんこと影人はキョロキョロと辺りを見回した。なぜか視線を感じたような気がしたのだが、どうやら勘違いだったようだ。

「ま、ここゲーセンだしな。視線を感じるような事もたまにあるか。それよか今日は遊び倒さないとな。ったくあの担任、何が倉掃除の日が決まったから4日後に来いだ。クソだるいぜ・・・・・・」

 ブツブツと文句を言いながら、影人はゲーム機に100円玉を投入した。軽く不機嫌なのは、先ほど影人の担任教師である榊原紫織から倉掃除の日程を伝えるメールがあったからだ。

 送られてきたメールには、紫織の家の住所と地図が添付されていた。つまり、「迎えに行くのはだるいから来い」ということだ。全くふざけた教師である。しかも、紫織の家の倉はかなり大きいらしく掃除には最低でも3日間はかかるらしい。ふざけるな、そんな話は聞いていない。

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