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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第409話 夏だ、補習だ、クソッタレ2(2)

「俺は徒歩だ。だから変わらん」

「俺もだな。異議なし」

「俺もチャリだけど、押していけばいいし大丈夫だ」

「俺は電車だが、駅近いし問題ない」

「Eに同じ」

 5人から承認を受けたAは軽く頷くと、男子高校生っぽいニヤニヤとした笑みを浮かべた。

「決まりだな。さあ、街に繰り出そうぜお前ら!」

「「「「「おうよ!」」」」」

 さあ、アホ共の宴(フィーバータイム)の始まりだ。












「うはは! 凄いぞ! カッコイイぞ! 見てくれよ、俺のジェットクマさんマークII!」

「ただのロケット背負ったぬいぐるみじゃねえか」

 Dが掲げた可愛らしいぬいぐるみに、Bが呆れたようにそう呟いた。どちらかといえば、ぬいぐるみはカッコイイより可愛いし、名前も正式名称は「宇宙そらクマさん」とタグに書いてある。何がジェットクマさんマークIIか。

 あと宇宙と書いてそらと読ませるのは、明らかに某ロボットアニメの影響を受けた奴が企画部にいるだろうとBは思った。普通の人は絶対に分からん。

「ああん!? 俺のマークIIにケチつける気か天才(笑)!? お前がUFOキャッチャーで取ったブッサイクな犬のぬいぐるみの100倍いいわ!」

「てめえこの野朗ッ! 俺のプリティなワンワンの可愛さが分からんとは! 表に出やがれ! ぶちのめしてやる!」

「やるってか!? いいぜ、お前のそのメガネをクラッシュしてやるよ!」

 ぬいぐるみを抱えたまま、一触即発の事態になったBとD。制服を着た高校生が可愛らしいぬいぐるみを大事に持ったまま、メンチを切り合っているのは中々にシュールな絵である。

「うるせえぞアホ共。ほれ、仲良くゲンコツをくれてやる。一旦頭をヒヤシンス」

「「痛えッ!?」」

 アホの抗争を見かねたアホAは緩くそう言いながら、BとDの頭に鉄拳を降らせた。Aの拳は2人の頭にクリティカルヒットしたらしく、2人は頭を抱え地面に沈んだ。

「ぶははっ! 見ろよC、F! アホ共が沈んだぜ! ありゃ痛いな!」

「うはははっ! ちげえねえ! 全く低俗な争いしてやがるぜ! 俺らを見習えっていうんだ!」

「本当にな! そうだお前ら、さっき取れたトッ◯やるよ! 最後までチョコたっぷりだぜ!」

 Eが頭を抱えたBとDを指差しながらクズのように笑った。それに釣られて、CとFもクズのように笑う。ついでにといった感じで、Fは棒状のお菓子を出した。

「は? おいおい何言ってるんだよF。トッ◯なんてスマートじゃねえもんは食わねえよ。やっぱりポッ◯ーだろ? さっき取れたからこれ食えよ」

 Fの言葉を笑い飛ばしたCが、Fと同じようにUFOキャッチャーで取れた違う種類の棒状のお菓子を出した。

「冗談はそれくらいにしようやお前ら。チョコなんて甘ったるくていけねえぜ。やはり棒状のお菓子といえば、プリ◯ツだろう。俺もさっき取れたんでな、恵んでやるよ。サラダ味だぜ」

 Cに続き、Eも棒状のお菓子の袋を取り出した。これで偶然極まることに、F、C、Eの3人がそれぞれ違う種類のお菓子を突き合わせたことになった。

「「「・・・・・・・・・・・」」」

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