第408話 夏だ、補習だ、クソッタレ2(1)
午後の授業は生物だった。6人のアホ共はアホらしく真面目にアホな答えを繰り返した。生物の女性教師はアホ共に普通にキレた。例の如くアホ共が真面目にアホな答えを連発したからである。
「――今日の補習授業はこれで終わりです。アホの皆さんもさすがに分かっていると思いますが、君たちはおよそ高校生の知能レベルに達していないと私は感じたので、改めて言っておきます。補習授業は今日から2週間行われます。それぞれ最後の授業で各教科からテストを出されると思いますので、それを通れば前期の単位が認定されます。まあ、普通に授業を受けていれば通るレベルのテストでしょうが、それに通らなかったら留年という事になります」
6限目の科学の教師が真面目な顔で6人にそう説明する。6人に補習授業を行って男性教師は非常によろしくない事態だとの印象を強烈に受けた。
「もし6人が一気に留年ということになれば、風洛高校始まって以来の珍事であり恥ずべき事態でもあります。プラス、6人の留年は明らかに我々教師陣の面倒ごとになりますので、皆さん死ぬ気でテストに受かってください。絶対ですよ。じゃなきゃ私はやけ酒に溺れるでしょう。それでは失礼します」
男性教師は真面目な顔で色々とぶっちゃけながら教室を後にした。教師が出て行ったことを確認した6人は、今日の補習が終わったことの自由から軽く雑談に興じた。
「風洛の教師陣はなんか色々とぶっちゃける人が多いな。普通の学校だったら、面倒とかは一応言わんだろ」
「まあな。生徒も愉快な奴らが多けりゃ教師も愉快な人たちが多いんだろ」
「動物園かよウチの高校は。まあ何だかんだ楽しいしいいんじゃねえか。俺は好きだぜこの高校」
「そういや今年の夏も体育の上田お見合いするって言ってたよな。あの人普通に滅茶苦茶いい人なんだけど、なんでずっとお見合い失敗してんだろうな」
「普通に顔だろ。世の中残酷なんだよ。それは俺たちが1番よく知ってんだろ」
「クソッ、イケメン共め・・・・・・・ウチでイケメン代表といえば1組の香乃宮だけど、あいつはモテて当然の奴だからなー。マジで良い奴で金持ちで超イケメンだし。嫉妬モンスターの俺ら含めた男子陣も、あいつには嫉妬しねえし」
ワイワイガヤガヤと雑談をするA、B、C、D、E、F。そのまま軽く5分ほど雑談していた6人は、そろそろ約束のゲーセンやらカラオケに向かうべく、荷物を持って立ち上がった。
「よーし、んじゃ行くか。お前ら学校には何で来てる? 徒歩か、自転車か、電車か、バスか? とりあえず今から行くとこ近場だから徒歩で行こうと思ってるんだが。いいか?」
Aが5人を見ながらそう提案した。Aの確認を含めた提案に5人はこう答えた。




