表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
405/2051

第405話 夏だ、補習だ、クソッタレ1(4)

「とりあえず恨み言からだな。いいか、アホ共。お前たちのせいで私は仕事が増えた。端的に言って死ね」

 紫織は目を細め機嫌が悪そうにそう言った。そもそも教師という仕事はただでさえ仕事量が多く、給料と釣り合っていないというのに、余計で面倒な仕事を増やされればそうも言いたくなるというものだ。そして紫織は、本当に端的に自分が思っている事を言った。悪い言葉だが、便利な言葉である。

「あ、はい・・・・・・マジですんませんでした」

「本当にすいません・・・・・・」

「先生の言い分はごもっともです・・・・・・」

「申し開きもないです・・・・・・」

「実はメチャクチャ後悔してます・・・・・・」

「僕は死にましぇん! ・・・・・あ、本当にごめんなさいっす。もうふざけないんで、その殺人的な視線と今にも投げようとしてる教科書どうにかしていただけませんか?」

 流石に「教師がそんな言葉を使うのはどうなんだ!」的な声は上がらなかった。まあ当然だ。紫織の恨みはもっともで、きっと自分たちも逆の立場なら間違いなくそう思うだろう。

「・・・・・・・・・・はあー、お前ら本当やるなら上手くやれよ。バレなきゃカンニングじゃないんだからさ。詰めが甘いんだよ」

「「「「「「え、ええー・・・・・・・」」」」」」

 どこかズレた、というかほとんどアウトな言葉を呟いた紫織に、今度はさすがのアホ共もそんな言葉を漏らした。論点は間違いなくそこではない。 

「とりあえず、私の恨み言はこれくらいにしておいてやる。他の教科の教師共も恨み言を言うかもしれんが、そこは仕方なく聞いといてやれよ。それじゃあ、補習の説明だ」

 紫織はガリガリと頭を掻くと、補習についての説明を始めた。と言っても、だいたい事務的なものだ。補習の授業を受けて最後の試験を突破すれば、前期の単位を認定する。ただそれだけである。

「つーわけだ。分かったなら死ぬ気で授業受けろよ。じゃなきゃ留年だ。以上で説明終わり。それじゃあ面倒だが授業始めるぞー。教科書はあるな? 後、前に授業プリントあるから各自取りに来い」

「「「「「「はーい」」」」」」

 6人は了承の返事を返すと、紫織のいる教卓に足を運んだ。

 こうして補習授業は始まった。













「――午前の補習は終わりです。アホ共・・・・・・もとい皆さんはお昼休みです」

 2限目の数学の教師がどこか疲れたような顔でそう告げた。軽くボロを出してしまったようだが、それは仕方ないだろう。教師は先ほどの授業でそれはそれは疲れてしまったのだ。

 なぜならば、目の前のアホ共がアホな答えを連発したからである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ