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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
403/2051

第403話 夏だ、補習だ、クソッタレ1(2)

「お前の事なんてどうでもいいんだよ『天才(笑)』! つーかずるいぞ! お前だけ売名しやがって!」

「そうだそうだ! 俺らは仲良くアルファベットブラザーズのはずだったろ!?」

「しかも名前濃いんだよ! お前俺らと一緒で見た目モブだろ! ギャップか!? ギャップ狙ってんのか!?」

「お前が名乗るなら、俺も名乗るぜ! 実は俺の名前『ジャストコミ◯ニケーション』って言うんだ! 雨に打たれながら色褪せない熱い想いを身体中で伝えたいぜ!」

「「「「「いやそれは嘘だろ!?」」」」」

 AとB以外の男子生徒C、D、E、F、がガヤガヤといった感じでヤジを飛ばすが、Fの突然の嘘ぶっ込みにより、F以外の生徒どもは揃って反射的にツッコミを入れた。結局、Fの名前は分からなかったが、Fが熱烈なTWO―M◯Xのファンである事は伝わった。もしくはヤベェ奴らしか出てこないロボット作品のファンか。

「とりあえずコホンッ! いいか、諸君。色々とヒートアップしてしまったが、一旦落ち着こう」

 急に壊れたブレーキを今更無理やり直そうとしてる感がすごいが、Bは咳払いをして場の空気のリセットを図った。壊した張本人がいきなり何ブレーキを直そうとしているのか。事実、他の5人も「とりあえずコホンッて何だよ!?」、「いきなりヒートアップしたのお前じゃねえか!」、「そうだぞ天才(笑)!」、「とりあえず何かメガネ割れろ!」、「どしたぁ!? 話聞こか!?」とBの無茶な仕切り直しにギャースカギャースカと文句をぶちまけた。

「ええい、静まれ! 諸君急だが1つお願いがある。今から俺の言うことを復唱してほしい。理由は簡単、雰囲気だ」

 再びバンッと教卓を叩くB。そんなBを見たAとCは、「マジで急すぎんだよ・・・・・・」、「普通に言っている意味が分からん・・・・・」と呆れていた。他の3人は軽く思考を放棄していたので、無表情であった。

「諸君――夏だな」

「「「「「・・・・・夏だな」」」」」

 しかし、なんだかんだノリはいいアルファベット共である。Bが復唱してくれと言った言葉を5人は復唱した。

 そんな5人の様子を見たBはどこか満足気だった。やはり自分と同じアホ共なので、ノリはいいらしい。Bはその事を再確認すると、次の言葉を述べた。

「諸君――補習だな」

「「「「「・・・・・補習だな」」」」」 

 自分たちがここにいるそもそもの理由を急に述べたB。そしてとりあえず復唱するA、C、D、E、Fのアルファベット共。

「諸君――クソッタレだな!」

「「「「「クソッタレだな!!」」」」」

 アホの叫びに残りのアホ共も呼応した。一般の良識ある人々には彼らアホ共の言葉の意味はあまり分からないであろうと思うので、軽く説明しておく。要するにこいつらが言いたいのは、「いま夏やん? 俺たち補習やん? クソじゃね?」という事である。すこぶる分かりにくい。なら一言でいえやと言いたい所存である。

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