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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
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第339話 聖女来日1(1)

 7月13日土曜日、日本時間12時15分。この日、『聖女』ことファレルナ・マリア・ミュルセールが日本の東京に来日した。ヴァチカン政府専用機に乗って、ファレルナが到着した空港には凄まじい数の人々が訪れていた。

「聖女様ー! ようこそ日本へ!」

「ああ、神々しい・・・・・・・!」

「すみません聖女様! 目線をこちらにいただけますかー!」

 空港に押しかけたファンやテレビのカメラなどの声が空港内に響きわたる。厳重に警護されているファレルナは、上品に手を振りながら周囲の人々に笑顔を向けた。

「ファレルナ様。この後のご予定ですが、まずは日本の首相と面会。そして一旦、日本側が用意してくれたホテルに移動します。後は明日の予定を打ち合わせしつつ、夜にホテルで開かれるパーティーにご参加というものになります」

「はい、わかりました。ありがとうございます」

 ファレルナの警護の1人――黒いスーツに身を包んだスキンヘッドのイタリア人男性が、ファレルナに今日の予定を改めて伝えた。

「それにしても日本の皆様の笑顔、素敵ですね。私などが来て笑顔になってくださるのは、本当に嬉しいです」

 ファレルナは見る者全てに感動と暖かさを感じさせるような笑顔でそう呟いた。

(・・・・・・・それはそうだろう。今や世界に『聖女』を知らない人間はいない。2年前のあの「奇跡」を起こした方が来ているんだ。熱心な信者ならば、『聖女』を一目見ただけで、喜びのあまり失神する者もいるくらいだ)

 スキンヘッドの男性はファレルナの呟きを聞いて、内心そんな事を思った。この少女は己の存在を過小評価し過ぎている気がする。もはや『聖女』という存在は国際社会に絶大な影響力を持つ存在になっているというのに。

「ああ、そうだ。1度日本の教会でもお祈りを捧げてみたいですね。ふふっ、楽しみな事がいっぱいです」

 スキンヘッドの男性のファレルナに対する評価の事など露知らずに、ファレルナはどこにでもいる少女のように、日本という外国にやって来たことを楽しみにしていた。











「見ろ、陽華、明夜。光導姫ランキング1位が遂に日本にやって来たぞ」

 風音の持って来たタブレットで、空港に降り立ったファレルナの映像を見ながら、アイティレはそう呟いた。

「うわ、聖女様だ。分かってはいたけど、本当に日本に来たんだ・・・・・・」

「何というか後光が見える気がするわ。神々しい光ってる。そんな気がビンビンするわ」

 タブレットの映像を見た陽華は現実味がなさそうにポカンとしたような表情になっていた。一方、明夜は相変わらず見た目クールビューティーなくせに、その発言はやはりどこかアホっぽかった。

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