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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
310/2051

第310話 夏の到来、しばしの日常1(4)

(結局、あの時の6人はカンニングがバレて補習が確定したみたいだが・・・・・・・・夏休み返上は悲しいよな)

 影人はあの時に自分以外のカンニングをしていた6人の事を思い出し妙に感傷的な気持ちになってしまった。影人はあまり仲間意識的なものは持たない人種なのだが、あの6人の名も知らぬ勇者たちに限ってはどうしてもそういった意識を持ってしまう。

「? 影人アレってなにさ?」

「別に何でもねえよ。ただ散っていった勇者たちの挑んだ方法について考えてただけだ。それよかもうそろそろ学校だ。暁理、お前今日の昼飯はどうするんだ? 弁当か、それとも学食か購買か?」

「僕は今日はお弁当だよ。あ、そうだ。今日の体育バスケなんだった。楽しみだな〜」

「そうか。俺は今日は学食だ。そういや午後の体育そうだったな。ったく、体を動かすのはあんま好きじゃないんだけどな」

 風洛高校の体育は2クラス合同で行われる。影人と暁理のクラスは隣同士なので一緒というわけだ。だが当然、男子と女子は分けられるので影人と暁理は別々だ。影人は自分クラスの男子と暁理のクラスの男子と一緒にバスケをし、暁理は自分のクラスの女子と影人のクラスの女子と一緒にバスケをするというわけだ。

 午後の授業の事なども含めた他愛のない会話をしながら、2人は風洛高校の正門を潜った。














「おーい帰城。ちょっとこっち来い」

「・・・・・・・何ですか先生。俺腹減ってるから速く飯食いたいんですけど」

 昼休み。授業が終わり今日は学食にしようと決めていた影人は教室を出たところで、自分のクラスの担任の榊原紫織に呼び止められた。何だろうか、すこぶる悪い予感しかしない。

「別にすぐ終わるから安心しろ。で、早速だがライン教えろ」

「何でですか。嫌ですよ俺、担任にそういうの教えるの。つーか俺ライン取ってませんし」

「お前まじかよ。今日日大体のやつは取ってるぞ? さては嘘じゃないだろうな。携帯見せろ」

「いやだから――って、勝手にポケットに手を突っ込まないでくださいよ!?」

 影人の制服のズボンの右ポケットに、ダウナーな雰囲気の担任は面倒くさそうに手を突っ込みまさぐってきた。抵抗しようとする前に紫織は「ん? なんだこの感触?」と眉を潜め、影人の右ポケットからある物を引き抜いた。

 それは黒色の宝石がついたペンデュラムであった。

「っ!? 返してください! 携帯はこっちですから・・・・・・・・!」

 影人は慌てて紫織の手からペンデュラムを取り返しそれをポケットに戻した。影人のその反応に流石の紫織も「お、おう悪かった・・・・・・・」と謝罪の言葉を述べた。

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