第301話 裏の策謀、その結果(5)
「それよりレイゼロール。私が来た用件はだいたい予想できているんでしょう? あなた、今はどれくらいなのかしら?」
「・・・・・・・・・・別にそれほどだ。まだカケラの1つを戻したに過ぎないからな。やはり『終焉』の権能を我が手に戻すには、全てのカケラを手に入れなければならないようだ」
シェルディアはレイゼロールの方へと振り向きながら、ここに来た目的についての話を切り出した。そのシェルディアの問いかけにレイゼロールは、つまらなさそうに言葉を返す。
「シェルディア、その事についてではないが我も貴様に話がある。・・・・・・・・お前達、悪いが少し席を外してくれ」
「ふーん、いいわね。なんだか面白そう。ごめんなさい、4人ともレイゼロールの言う通りに少し席を外してくれるかしら?」
レイゼロールのその言葉に興味を抱いたシェルディアは、レイゼロールに追従するような形で4人の闇人にお願いをした。レイゼロール、シェルディアという巨大な力を持つ2人の言葉に、「姉御の頼みならしゃーないな」「御意に」「わ、わかりました」「了解ですー。そうだ皆様、ワタクシの部屋でトランプでもいたしませんか?」「ああん? まあいいか。俺は乗るぜ」「カード遊戯か・・・・・・己は遠慮して――」「ええ!? せっかくだからやりましょうよ殺花! 私は殺花と遊びたい!」「っ・・・・・・・・・わかった、キベリア殿がそう言うならやりましょう。おい、冥。やるからには貴様には負けんぞ」「そりゃこっちのセリフだ陰険女。お前にだけは負けねー」「フフフフ、これは楽しくなりそうですねー」4人の闇人はとりあえずの了解を示した。どうやらこれから4体の闇人による軽いトランプ大会が開かれるようである。
「ふふっ、いいわね。とっても楽しそう。私も後で参加しましょうっと。あ、そうだ。レイゼロール、あなたも後で一緒に参加しにいかない?」
「・・・・・・・・・遠慮しておく。それより、そろそろ本題に入るぞ」
「ノリの悪い子ね。ま、いいわ。で、話って何なのレイゼロール。カケラのことについてじゃなくて?」
4人がいなくなったことを確認したレイゼロールが本題に入るべく言葉を切り出す。シェルディアは一瞬つまらなさそうな顔にはなったが、レイゼロールの話が気になるのかすぐに機嫌を直した。
「ああ、カケラに関係すると言えばすることだ。・・・・・・・・これを聞けばお前も少しは驚くだろうな。つい先ほどのことだ。我はスイスにあったカケラを回収した。カケラがあったのは地下の祠のような場所でな、我が地上に出て少しすると、黒いぼろフードを纏った謎の人物が現れた。おそらくだが男だ」
「黒フードの人物? 守護者か何か? 人間だったの?」
「・・・・・・分からない。少なくとも身体能力は人間を凌駕していた。それこそ光導姫や守護者のようにな。我も最初は守護者かと疑ったが、奴の得物を見てその考えを改めた。・・・・・・・・・・聞いて驚けシェルディア。奴が持っていた武器、それは――」
シェルディアがその顔を疑問に染める中、レイゼロールは言葉を呟く。レイゼロールにとっては、忌々しい記憶を想起させるその言葉を。
「フェルフィズの大鎌――お前も知っての通り、神殺しの大鎌だ」




