表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
290/2051

第290話 勝者は(5)

「・・・・・・・・・・」

 クラウンなる闇人の登場により、意外な結末となった戦いではあったが、とりあえず影人の仕事は終わった。影人はアイティレたちから背を向けて、この場を去ろうとした。だが、その影人の所作に気がついたアイティレが待ったの声を掛ける。

「待て、スプリガン。奴らは逃がしてしまったが、私は貴様まで逃がすつもりはない」

「・・・・・・・・この前の戦いの決着を着けようってか」

 影人は自分の後方から声を掛けてきたアイティレに半身だけ振り返ってみせた。やはりと言うべきか、『提督』は自分を見逃してはくれないようだ。

「ああ、そうだな。それもいいだろう。光臨状態の私ならばお前とも互角以上に戦える」

「っ、ちょっと本気なのアイティレ?」

 そのアイティレの強気な言葉に1番初めに反応を示したのは風音だった。ちなみに、風音を含む5人はアイティレから1メートル以上離れた後方にいる。これは風音がアイティレの『絶対凍域』を意識しての指示だった。光臨したアイティレの『絶対凍域』唯一の欠点は、通常の『凍域』とは違い、アイティレを攻撃しようとした者だけでなく、範囲内に入った全ての者を凍らせるというものだ。つまり、光臨したアイティレの1メートル以内は味方でさえも問答無用に凍らせる。

 その事を知っていた風音はあらかじめ自分以外の4人にその事を伝えていた。だから風音を含む5人はアイティレから1メートル以上距離を取っているのだ。

「・・・・・・・やめとけよ、別に今の俺はお前と戦うつもりはない。それに、その光臨ってやつは時間制限つきなんだろ。残りの詳しいリミットまでは知らないが、時間はもう少ないはずだ。そんな状態で、お前が俺に勝てるはずがない」

 淡々とピリついた雰囲気のアイティレに影人はそう言葉を返した。正直に言ってしまえば、影人ももうかなり闇の力は消費してしまったので、アイティレと戦うということになればかなり厳しくなる。

 だが、影人はあくまで強気だった。人によっては挑発に聞こえるかもしれない言葉も混ぜながら、影人は正体不明目的不明の実力者を演じることを忘れない。

 なぜならば、それがスプリガンだからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ