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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
214/2051

第214話 デートは日本語で日付(1)

 デデデーデデーン! 唐突だがラブコメ回である。


「ちっ、暁理の奴なんだってんだ? 急に映画とか見ようなんて・・・・・・・・・・」

 イヴとの問題が片付いた週末。影人は昨日突然「影人、明日映画見に行こう! い、一応この前言ってた、デ、デートだから・・・・・・・・しっかりとした服着て来てね! じゃ、じゃあね!」と言われたのだ。影人からしてみれば、この週末は1人でふらふらとしたかったので、暁理との約束をすっぽかそうと思っていたのだが、先ほど暁理からメールが届いた。

 曰く「午後2時に最寄りの駅前で待ち合わせ。サボったらケツで花火をしてもらう」とのことだ。罰ゲームが意味不明だが、行かねば影人の尻が終わる。よって行かなければならない。

「金は・・・・・・・・・ギリあるな。服はまあ適当でいいだろ。今日暑そうだし」

 サイフの中を確認し、影人は寝巻きから私服に着替えた。チラリと部屋の時計を見ると、現在の時刻は午後1時30分。今から出ればギリギリ駅前には間に合う。

「・・・・・・暁理の野郎。着いたら文句言ってやる」

 せっかくの休日を潰された前髪野郎は、軽くイラつきながら家を出た。








「ん? よう嬢ちゃん、お出掛けか?」

「あら影人。そうだけど、あなたもお出掛けかしら?」

 マンションの構内で隣人であるシェルディアと、深緑髪のグラマラスな体型の女性を見かけた影人は、そう声をかけた。影人の言葉に笑みを浮かべてそう聞き返してきたシェルディアに影人は愚痴気味にこう答えた。

「ああ、なんか暁理・・・・・俺の友人と遊ぶ事になってな。ったく、今日は1人でそこら辺をふらつきたかったんだが。――と、すみません。まだ()()()()()さんには挨拶してませんでしたよね。こんにちは、キルべリアさん」

 影人はシェルディアの隣にいる女性のことを思い出し、軽く会釈した。

「え、ええ。こんにちは影人くん。ご丁寧にどうも」

 影人の挨拶にシェルディアの同居人であり、メイドであるキルべリアはぎこちのない笑みを浮かべた。

 影人がキルべリアに初めて会ったのは、イヴの問題が片付いた翌日だった。例の如く、放課後にシェルディアの家に招かれた影人は、シェルディアの家に見知らぬ同居人が増えている事に気がついた。

 影人が「誰だ?」といった感じでその深緑髪の女性を見ると、その女性も「誰だ?」といった感じで影人を見てきた。そんな2人の様子に気がついたシェルディアが、その女性キルべリアの事を影人に紹介してくれたのだ。

 シェルディアの紹介によると、キルべリアは「自分の使用人。色々とあって一緒に暮らすことになったの。つまりはメイドね」とのことだった。キルべリアはなぜかシェルディアの説明に驚いているようだったが、シェルディアの笑みを見ると「メ、メイドのキルべリアです。どうぞよろしく」と手を差し出してくれた。それがキルべリアとの出会いだった。

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