表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
2102/2103

第2102話 忘れられていた力2(1)

「『全天』・『零天』・・・・・・どういう意味だ。言い方がややこしいが、お前には2つ名が2つあるのか?」

 ナナシレからの挨拶を受けた影人は、まず最初にナナシレにそう質問した。

「はい。私は『地天』のエリレ、『火天』のシイナ、『風天』のセユス、『水天』のレナカが合した存在です。ゆえに私は4つの災厄の力を使える『全天』であり、4つの災厄の力を合して生まれるぜろの力を持つ『零天』であるのです」

 影人の質問にナナシレが頷く。ナナシレは説明を続けた。

「そして、私の元主人アオンゼウを討つためには、零の力が必須なのです。零の力を使う事によって、初めてアオンゼウの概念無力化の力と超再生の力を無効にする事が出来るのです。零の力とは全てを無効にする力。アオンゼウにも届き得る力です。さあ、ご主人様。私と共にアオンゼウを討ちましょう。私は既に反転し、あなたに仕える存在。私は全力であなたの力となります。彼の魔機神を倒し、あなたが真の勇者となるのです」

 ナナシレが影人に向かって手を伸ばす。随分と芝居がかったセリフを吐くなと思いながら、しかし、影人は「あー・・・・・・」と微妙な顔で、右の人差し指を隣にいたイズに向けた。

「その、悪いがその必要はねえんだ。ほら、これ」

「これ呼ばわりは不快です。やめてください。初めまして、と言えばいいでしょうか。私の名はイズ。アオンゼウの器に宿りし武器の自我です」

 イズがナナシレに向かって自己紹介の言葉を述べる。イズの方に顔を向けたナナシレは、少しの間ジッとイズを見つめていた。

「・・・・・・え? あの、これはどういう事ですかご主人様。なんかアオンゼウがいるんですが。しかも、アオンゼウの中に違う意識があるのですが・・・・・・いったい、私が誕生するまでに何が・・・・・・ご主人様。状況把握のために、御身の魂の記憶を覗かせていただいてもよろしいでしょうか。私、このままだと混乱して何が何だか・・・・・・」

「お、おう。別にいいぞ」

 困り顔で影人にそう言ってきたナナシレに、影人は思わず頷いた。何というか、ナナシレはかなり感情豊かだ。あの無感情な災厄たちが集った存在とは思えないほどに。影人が自分の記憶を覗かせる許可を出したのも、ナナシレの感情が豊かである事が主な理由だった。

「では、失礼させていただきます」

 ナナシレは軽く影人に頭を下げると、影人に近づきそっと右手で影人の胸に輝く魂に触れた。瞬間、ナナシレの中に、今までの帰城影人という人間の人生の全ての記憶が流れ込んでくる。普通の人間なら、一気にそれだけの記憶が流れ込んでくれば廃人になってしまうのだが、ナナシレは人間ではない。ナナシレは影人の記憶を全て己の中に正確に受け入れた。

「おお、何という事でしょう・・・・・・既に魔機神の問題が解決されていたとは。これでは私の存在意義が・・・・・・」

 ナナシレは悲哀に満ちた声で天を仰いだ。そんなナナシレを見たイズは不審そうに眉を顰めた。

「・・・・・・これが全ての災厄が集った魔機神をも討つ事の出来る力ですか。正直、思っていたものと随分違いますね」

「それはこっちのセリフだ。お前知らなかったのかよ」

「アオンゼウのメモリーにある情報は、あくまで災厄が集った力が自身の弱点であるという事だけです。こんな胡散臭い・・・・・・感情が豊かな存在である事など知りませんでした」

 影人とイズがヒソヒソ声でそんな会話をする。すると、ナナシレは一頻り自身の不幸を嘆き、満足したのかスッとその表情を元に戻した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ