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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
2089/2103

第2089話 兄と妹1(1)

「帰城くん、明けましておめでとう! 今年もよろしくね!」

「明けましておめでとう。今年もよろしくお願いするわ」

 1月9日火曜日。正午過ぎ。冬休み明けの学校に登校した影人が、昼休みの喧騒に包まれた廊下を歩いていると、前方からそんな声が掛けられた。陽華と明夜だ。

「・・・・・・」

 陽華と明夜から新年の挨拶を受けた影人は軽く会釈をすると、そのまま2人の前を通り過ぎた。

「帰城くん! 無視は傷つくよ!? 一応、予想はしてたけど!」

「そうよ! 予想はしてたけど!」

「予想してたんなら突っかかって来るなよ・・・・・・」

 陽華と明夜はバッと動き、通せん坊するように影人の前に立ち塞がった。影人は面倒くさそうな顔で頭を掻いた。

「はぁ・・・・・・明けましておめでとう。今年はどうか俺に関わらないでください」

「私が知ってる新年の挨拶じゃない!?」

「逆に斬新ね」

 影人の挨拶を聞いた陽華は驚き、明夜は呆れたような顔になった。

「紛れもない本心だ。俺は忘れてないからな。クリスマスに、俺が酷い目に遭ってるのをお前らがただ見ていた事を」 

「いや、あれは話を聞く限り、間違いなく帰城くんが悪かったでしょ・・・・・・」

「帰城くん、それは多分逆恨みだと思うよ・・・・・・」

 恨み言を吐く影人に明夜と陽華はそう言葉を返す。影人は「うるせえ」と2人の意見をバッサリと切り捨てた。

「俺があの日どれだけ恐怖して苦しんだか・・・・・・思い出すだけで震えて来るぜ」

「ま、まあ、あれはね・・・・・・」

「あれは普通にホラー映像よね・・・・・・」

 クリスマスの事を思い出してカタカタと体を震わせた影人に、陽華と明夜は同情の視線を向けた。それほどまでに、聖夜に起こった事は恐ろしいものだった。

「・・・・・・取り敢えず、用事は済んだか。済んだんだったらそこどけよ」

 影人は自分の前に立つ陽華と明夜にそう言った。影人にそう言われた陽華と明夜は、影人の前から離れた。

「あ、ごめんね」

「そうだ。今日の放課後、イズちゃんと早川さんと『しえら』で女子会をするんだけど、帰城くんも来る? きっと楽しいわよ」

「行くわけねえだろ。あと、仮に俺が行ったとしらそれは女子会じゃないだろ。じゃあな」

 明夜の誘いを断った影人は2人の元から去った。影人の答えを聞いた明夜は、小さくため息を漏らした。

「残念ね。火山から氷が噴き出すレベルのワンチャンスはあったと思ったんだけど」

「それってつまり絶対有り得ないって事でしょ・・・・・・はあー、明夜は相変わらずバカだなー」

「誰がバカよ!? 火山だってもしかしたら氷を噴き出すかもしれないでしょ! だからワンチャンスよ!」

「いや、今の言葉そのものがバカの証だよ・・・・・・」

 キレる明夜に陽華は呆れた顔になる。基本的に陽華が呆れた顔になるのは、明夜がバカな事を言っている時くらいだ。

「でも、何でわざわざ帰城くんを誘ったの? 明夜がいくらバカだからって、帰城くんが女子会に来るはずないって事は分かってたでしょ?」

「だから誰がバカよ・・・・・・だって、もうあと少ししかないのよ」

「? 何が?」

 陽華が首を傾げる。明夜は去り行く影人の背を見つめながら、こう呟いた。

「帰城くんと・・・・・・同じ学校に居られるのは。だから、出来るだけ思い出を作りたいじゃない」

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