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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
2072/2103

第2072話 クリスマス前髪争奪戦5(3)

「そうよ! 聖夜に2柱の女神と1日を過ごす約束をして、しかもどっちの約束も破るなんて・・・・・・! 影人! あなたは女神の、いや全女性の敵よ! このクズ前髪! レールと私があなたに天誅を下すわ! 死ぃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 怒り心頭に発したソレイユが影人に向かってドロップキックを放つ。影人は「うおっ!?」と驚きながらも、ソレイユの渾身の蹴りを余裕で回避した。今の影人はスプリガン。ソレイユの蹴りを避ける事など造作もない。

「ちぃ! 避けるなクズバカカス前髪! 乙女の怒りを正面からしっかり受け止めて爆散しろ!」

「するか! というかお前さすがに口悪すぎるぞ! 仮にも女神がそれでいいのか!?」

 蹴りを外したソレイユは着地すると影人に罵声を浴びせた。影人は思わずそうツッコミを返した。

「そんな事は今どうでもいいのよ! オラオラオラオラッ!」

 ソレイユは影人に向かって連続でパンチとキックを放つ。影人は当然ソレイユの攻撃を避けるが、その余波として響斬の家の備品が次々と床に落ちる。

「ぼ、僕の家が・・・・・・ちょっと影人くん! 話が違うじゃないか! 君が絶対に誰も追いかけて来ないって言ったから、僕は君を匿ったんだぜ!」

 その光景を見た響斬は影人にクレームを行う。すると、レイゼロールが響斬の方に顔を向けた。

「・・・・・・響斬。お前には後で話がある」

「ひっ・・・・・・ちくしょう恨むぜ影人くん!」

 何かもう色々とやけになった響斬はそう叫んだ。影人は「悪かったよ響斬さん! 俺が甘かった!」と謝罪の言葉を返した。

(取り敢えず、一旦退散だ!)

 影人は記憶の中から適当にとある場所を想起すると、転移の力を使用した。影人の身を黒い光が包み始める。

「やらせん」

「っ!?」

 しかし、レイゼロールが動き影人に闇色の剣を投擲した。影人は仕方なくその剣を避ける。結果、響斬の家の壁に剣が突き刺さり、影人が動いた事によって転移はキャンセルされてしまった。

「クソッ・・・・・・!」

「そう簡単に逃がすか」

 レイゼロールは周囲から闇色の腕を呼び出すと、それらを影人に向かわせた。影人はスプリガンの身体能力で何とか腕を避ける。しかし、室内という事もあってやがて回避は困難になって来た。

(ちっ、やりにくい。まずは響斬さん家から出ないとな)

 影人は障子をぶち破ると、窓ガラスを蹴り砕き外に出た。後ろから「僕の家がぁぁぁぁぁ!」と響斬の悲鳴が聞こえたが、影人は後で直すから許してと心の中で手を合わせた。

「ちっ、外に出たか。追うぞソレイユ」

「言われなくても分かってるわレール! 待ちなさい影人! あなたが私たちから逃げる事なんて出来ないのよ! 諦めてさっさと私たちに捕まりなさい!」

 影人を追ってレイゼロールとソレイユも外に出た。影人はチラリと2人に目を向ける。

「そう言われて捕まる奴がいるかよ・・・・・・!」

 影人は自身の身に透明化の力を施した。突然影人の姿が消えた事にソレイユは驚いた顔を浮かべる。

「え、消えた・・・・・・?」

「転移の兆候はなかった。となると・・・・・・透明化か。また厄介な力を・・・・・・」

 神力の応用に理解があるレイゼロールは影人が消えた答えに辿り着いた。逃走者にとって透明化の力は何よりも便利だ。

「しかも、恐らく足音も消しているな・・・・・・奴が今どこにいるか我にも分からん」

「そんな!? あのアホ前髪をこのまま逃がすの!? ダメよレール! 私、まだあの前髪を殺してない!」

「落ち着けソレイユ。お前、怒り過ぎて少し錯乱しているぞ。安心しろ。我もこのままあいつを逃がすつもりはない。お前も言っていただろう。あいつが我たちから逃げる事など出来はしないのだ」

 こちらには常に影人の居場所を探知できるソレイユがいる。神力を通して影人と繋がっているソレイユには気配隠蔽の力も意味を持たない。ソレイユは地上では神力を使えないため、スプリガン状態の影人を追う事は出来ないが、そこは地上でも自由に神力を振るえるレイゼロールがいる。ソレイユが影人の居場所を探知しレイゼロールの力で影人を追う。元より、影人は詰んでいるのだ。ソレイユとレイゼロールが協力し合っているのは、その詰みを作り出すためだ。

「っ、そうね。絶対にあの前髪は逃がさないんだから。レール、追いましょう! 前髪狩りよ!」

「ああ。奴には我たちを弄んだ責任を必ず取らせてやる」

 ソレイユがグッと右手を握りレイゼロールも同意する。女神たちは逃げた前髪を捕らえるべく、追跡を開始した。

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