第2053話 スプリガンと交流会3(6)
「あはは・・・・・・」
「全く・・・・・・」
「あのバカ・・・・・・」
「ははっ・・・・・・」
影人が消えた事に、陽華、明夜、暁理、光司はそんな反応になる。スプリガンが消えた事に対するざわめきは中々収まらず、光導姫と守護者たちは近くにいる者と言葉を交わす。
「ガチでクソ強かったな・・・・・・」
「ああ。えげつなかった。何でもありかよって感じだ・・・・・・」
「もしスプリガンと本気で戦えって言われたら秒で死ねるわ・・・・・・」
「でも、アドバイスはすっごく的確だったわよね」
「うん。私の事しっかり見てくれてたんだなって。複数人の相手してたのに凄い観察眼だった」
「思ってたより怖くなかったな。というか、正直格好よかった・・・・・・」
「あれだけ強い人がいざとなれば助けに来てくれるって思うと、安心して戦えるな」
光導姫と守護者たちのスプリガンに対する反応は意外にも好意的なものが多かった。光導姫と守護者たちの反応を舞台上から見聞きしていた風音は、思わず口角を上げた。
(どうやら、スプリガンに対する光導姫と守護者のイメージを少しは変える事が出来たみたいね)
多くの光導姫と守護者にとって、スプリガンのイメージは未だに謎の怪人といったもので、あまり好意的なものではない。だが、影から光導姫と守護者を助ける存在であるスプリガンのイメージがそれではあまりに不憫だ。少なくとも風音はそう思った。まあ、影人本人は全く気にしないだろうし、何ならそのままの方がいいと言いそうだが。
風音が今回の研修にスプリガンを呼んだのは、そのイメージを多少なりとも変えたいと思ったからだった。今回は日本にいる光導姫と守護者だけだったが、いずれは世界の光導姫と守護者たちに対しても、現在のスプリガンのイメージを払拭したいと風音は考えていた。
結局、影人は最終的に風音が自分を研修に呼んだ理由を、光導姫と守護者の連携の練習用、理不尽な敵との戦闘の経験と予想したが、その予想は見事に外れていた。ざまあである。分かったふり恥ずかし。
ちなみに、影人が風音の依頼を受けた理由は、零無戦の時の借りを返すためだったので、特に報酬のようなものはなかった。そして、これもちなみにではあるが、周囲の光導姫と守護者のスプリガンに対するコメントを聞いていた陽華、明夜、光司はなぜかドヤ顔を浮かべていた。
『では皆さん。交流会に参加される方は係の者の後に。帰宅される方はそのまま校門の方に――』
風音が光導姫と守護者たちにそうアナウンスする。光導姫と守護者たちが体育館の中から外へと出て行く。ほとんどの者たちは交流会に参加し、親睦を深め、大いに交流会を楽しんだ。
――こうして、『巫女』の画策により、スプリガンに対する、日本の光導姫と守護者のイメージは少しだけ変わったのだった。




