第2050話 スプリガンと交流会3(3)
「おい、レッドシャインとブルーシャインって確か・・・・・・」
「ああ、レイゼロールを浄化したっていう・・・・・・」
「あの子たちが・・・・・・」
光導姫レッドシャインとブルーシャインの名前はレイゼロールを浄化した光導姫として、日本中、いや全世界の光導姫と守護者に知れ渡っていた。光導姫と守護者たちが陽華と明夜の光導姫名を聞いて騒めいたのはそれが原因だ。
「ランキング外のレッドシャインとブルーシャインを実戦相手とする理由は、既に皆さん理解していらっしゃると思います。彼女たちはあのレイゼロールを浄化した光導姫。皆さんの実戦相手としては申し分ない方たちです」
「光導姫レッドシャインです! 本日はよろしくお願いします! あと、私たちがレイゼロールを浄化できたのは皆さんのおかげです! あの時はありがとうございました!」
「光導姫ブルーシャインです。まだまだ若輩の身ですが、よろしくお願いします。レッドシャインが言うように、レイゼロールを浄化したのは私たちの光ではなく、全ての光導姫と守護者の光です。私からも皆さんにお礼申し上げます」
風音の説明に続くように、陽華と明夜がそれぞれ挨拶と感謝の言葉を述べた。光導姫と守護者たちは2人の言葉を受け入れるように、パチパチと拍手を送った。
「2人ともありがとう。それでは、実戦研修を始めます。実戦研修は基本は1対1で行います。実戦相手は皆さんが自由に選んでください」
風音がそう言うと、陽華、明夜、暁理、アイティレ、光司、刀時、影人が散らばった。実戦相手はいずれも実力者。光導姫と守護者たちはその顔に緊張感を漲らせた。そして、光導姫と守護者たちは実戦相手を決めると、各々実戦相手がいる場所に向かって歩き始めた。
「・・・・・・」
実戦相手の1人として、影人は自分の持ち場で光導姫と守護者を待っていた。しかし、影人の場所には中々光導姫と守護者は来なかった。
「・・・・・・」
影人が金の瞳を他の実戦相手のいる場所に向ける。陽華と明夜の場所はかなりの光導姫が並んでいる。風音、アイティレの場所も多くの光導姫の姿が見える。暁理の場所もそれなりの数が確認できた。光司、刀時の場所は、守護者の実戦相手が光導姫よりも少ないという事もあってか、多数の行列があった。つまり、影人以外の場所はもれなく人がいた。
『くくっ、ある意味大人気だなお前』
(ああ、逆の意味でな。というか、これが正常だろ。誰が好き好んで俺なんかと戦いたがるかよ)
頭の中に響くイヴの声に影人は内心でそう言葉を返す。自分が正確に光導姫と守護者たちの間でどのように噂になっていたのかは分からないが、未だに大多数の光導姫と守護者にとってスプリガンは怪人のようなものだろう。
影人はこのまま誰も来ないだろう、いや来ない方が気が楽だと考えていると――
「「あ、あのっ!」」
そんなハモリ声と共に影人の場所に2人の男女が現れた。そして、影人はその2人をよく知っていた。影人の前に現れたのは、光導姫と守護者の姿となった魅恋と海公だった。2人は緊張した様子で影人を見つめてきた。影人は2人が変身した姿を初めて見たが、魅恋は桃色と紫を基調とした着崩した学生服のような姿で、海公は水色と緑を基調とした洋風の服装を身に纏っていた。




