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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
2037/2103

第2037話 熱血、ドキドキ、体育祭3(3)

『決まったー! 綱引きの優勝は1年1組! 1組は赤組なので大量の得点が赤組に入ります! これで赤組がリードしていた白組に追いつきました! さあ、結果が分からなくなってきましたよー!』

 ぼうっと影人が運動場端から綱引きを眺めていると、いつの間にか決着がついていた。運動場中央辺りからワアッと大きな声が上がる。

「・・・・・・次は借り物競争か。まあ、俺には関係ないな」

 体育祭のプログラム表を確認しながら影人はそう呟いた。玉入れは借り物の競争の次の競技、二人三脚の後なので、運動場から離れる事は出来ない。影人は変わらず運動場端の日陰にとどまった。

「ん? 朝宮の奴、借り物競争にも出るのか。相変わらずの元気さだな・・・・・・」

 借り物競争が始まり、影人がなんとなくそれを眺めていると、スタートラインに陽華の姿が見えた。陽華や他の競技者は真剣な顔でスタートの合図を待っていた。そして、スタートピストルの音が響くと、陽華や他の者たちは一斉に走り出した。陽華を含む走者たちは、それぞれライン上に設置されている机の上にある箱――中には借り物の指示が書かれた紙が複数入っている――を目指した。

「よし1番!」

 最初に箱に辿り着いたのは陽華だった。陽華は箱の中に手を入れると、紙を1枚手に取り、それを取り出した。そして、書かれている内容を確認した。

「ふぇ!?」

 内容を確認した陽華は思わずそんな声を漏らした。影人は少しの間ビシっと固まってしまった。

『おおっと!? 3年5組の朝宮陽華さん、借り物の内容を見て固まりました! これは相当難しいモノを引き当ててしまったようです! ですが、その間にも他の方たちはお題を確保すべく動き始めています! 朝宮さん、このままでは最下位になってしまうぞー!?』

 実況役が言うように、陽華以外の生徒たちはお題を確認すると運動場に散って行く。このままでは、間違いなく陽華は最下位だ。

「うっ、こうなったら・・・・・・!」

 しかし、陽華はそう簡単に勝ちを諦められる性格ではなかった。特に、運動に関するものは少し自信があったから余計に。陽華は覚悟を決めると、お題の書かれた紙を握り走り始めた。もちろん、紙に書かれていたモノを探すためにだ。

(どこ!? どこにいるの!?)

 陽華は必死でとあるモノを探し始めた。パッと周囲を見渡すが、どこにもいない。

「っ、いた!」

 だが、陽華は運動場の端に自分が探しているモノを見つけた。陽華は運動場端に向かってダッシュした。

「・・・・・・ん? 朝宮の奴、何でこっちに向かってダッシュして来てるんだ・・・・・・?」

 一方、運動場端にいた影人は恐ろしい勢いでこちらに向かって走って来る陽華に対し、訝しげな顔を浮かべた。

「帰城くん! ごめん一緒に来て!」

「は? ってちょ急に何だよ!?」

 影人の元に辿り着いた陽華は事情も説明せずに影人の手を握った。そして、運動場中央に向かって駆け出した。陽華に手を握られた影人は、訳のわからないまま陽華に引っ張られ走った。

『おーっと! 朝宮さん誰かを連れてこちらに戻って来ました! そのお相手は・・・・・・なんと、2年7組の帰城影人くんです! あの前髪は間違えようがありません!』

「え、何であの人・・・・・・?」

「さあ・・・・・・? お題がものすごく長い前髪とかだったんじゃない?」

「朝宮さんに手を握られるなんて、何て羨まけしからん野郎だ・・・・・・」

「許せねえ・・・・・・」

 陽華が影人を連れて運動場中央に戻ると、生徒たちがザワザワと騒めいた。中には恨み言まで混ざっている。最悪だ。影人は自分が目立っているという事実に、そう思わざるを得なかった。

「す、すみません! 確認お願いします!」

 影人を連れた陽華が確認係の女子生徒に紙を渡した。紙を受け取った女子生徒は内容を確認し、影人の方に視線を移すと「あ・・・・・・」と声を漏らし、ほんの少し顔を赤く染めた。

「お、お題はクリアです。どうぞ」

「よし!」

 女子生徒が陽華に許可を出す。陽華はそのまま影人の手を引きゴールテープを切った。

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