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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
2034/2051

第2034話 熱血、ドキドキ、体育祭2(5)

「ピュルセさん・・・・・・」

「どうだい、普段のアイティレくんとは随分と違うだろう? アイティレくんといえばクールな印象だが、今回はその真逆の可愛いコーディネートをしてみたのだよ。元々の素材の良さとギャップも相まって、とびきりのコーデが出来たと思うのだが・・・・・・どうだろう?」

「どうだろうって・・・・・・そりゃ、普通に可愛いと思いますよ」

 ロゼにそう聞かれた影人が答えを返す。アイティレは元々尋常ではない美人だが、今は尋常ではない美少女という感じだ。美しさと可愛らしさ、どちらも際立っている。ツインテールという少し幼い印象を受ける髪型もグッと来る感じだ。

「か、可愛っ・・・・・・そ、そうか。う、うむ。そう言ってもらえると、こんな格好をした甲斐もあったな・・・・・・ふふふふっ」

 影人の感想を聞いたアイティレはカアッと更に顔を赤くさせると、ニヤけを堪えるような顔になった。そんなアイティレの姿を初めて見た影人は「???」と訝しげな顔を浮かべた。

「す、すまない。少しだけ場を離れる。こ、このままではおかしな顔になってしまいそうだからな・・・・・・」

 アイティレはそう言うと、タタっとどこかへ走って行った。

「・・・・・・『提督』の奴、どうしたんですか。何かいつもとは様子が違うように思えましたけど」

「ははっ、君がそれを言うのかい」

「?」

「ふむ、どうやら君の勘の良さは()()()方面には働かないようだね。中々に罪深いというか何というか」

 訳がわからないといった顔を浮かべる影人を見たロゼは、何かを察したようにそう言った。

「まあいいさ。しかし、やるねえ帰城くん。まさかあのアイティレくんまで手籠にするとは思わなかったよ。アイティレくん、君のために今日はサンドイッチまで作って来たんだぜ。かなりの入れ込み具合だよ。いったい、彼女に何をしたんだい?」

「手籠って・・・・・・何を勘違いしてるのか知りませんが、別に何もしてないですよ。強いて言えば、ずっと目を覚まさなかったあいつの母親をスプリガンの力で目覚めさせたくらいです」

 影人は面倒くさいと思いつつもロゼにそう言葉を返した。影人の言葉を聞いたロゼは「ほう、なるほどなるほど・・・・・・」と頷いた。

「ずっと解決出来なかった問題を解決してくれた事に対する感謝、そこから生じる帰城くんに対するヒロイックな思い・・・・・・更には過去に敵対視していたというスパイスも加わり、一気に感情がある方面へと向いた・・・・・・そんな所かな。いやー、君は見た目からは想像も出来ないほどのレディキラーだね」

「はい???」

「しかし、また強力なライバルが増えてしまった。これは、本当に私もうかうかしていられないな。いや、いっそ皆で囲うべきか・・・・・・むむっ、急に芸術に対するインスピレーションが! すまない帰城くん! 私はこのインスピレーションを忘れない内に一描きしてくる! さらばだ!」

 ロゼは急にそう言うと、ダッシュでどこかに向かって走って行った。

「あ、ピュルセさん! ったく、相変わらずの変人ぶりだなあの人は・・・・・・」

 影人は呆れた様子で軽く息を吐いた。ロゼは基本的な常識はあるのだが、それを補って余りある特異さを有している。影人は改めてその事を実感した。

『はーい! 次は体育祭午前の部、最終競技です! 競技種目は騎馬戦! 皆さん、ぜひぜひ応援と歓声のほどをよろしくお願いします!』

「・・・・・・取り敢えず、騎馬戦見るか」

 アナウンスを聞いた影人はそう呟くと、騎馬戦を観戦すべく適当な場所へと移動した

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