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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
2003/2051

第2003話 前髪野郎と光の女神4(1)

「ちょっと帰城くん! 決められたのは仕方ないとしても、アレはどうなの!? やりたい事は分からないでもないけど、一応これ勝負なのよ! もうちょっと真面目にやりなさい!」

「す、すんません・・・・・・」

 休憩時間。赤チームのミーティング。真夏は少し怒った口調で影人にそう言った。影人は返す言葉もないといった様子でしょんぼりとしていた。

「まあまあ、真夏くん。帰城くんも決してふざけていたわけではないと思うよ。きっと真剣そのものでアレだったんだよ」

「だったら尚更タチが悪いわよ! とにかく、次からは気をつけてよね帰城くん!」

「は、はい」

 ロゼの擁護(?)の言葉に真夏が思わずそうツッコむ。全く以て真夏の言う通りである。前髪野郎は深く頷いた。

「取り敢えず、後半は攻めなければなりませんね。私たちもラルバかロゼを攻撃陣に移しますか?」

「そうしましょう! 守ってたら勝てないわ。まずは点を取らなきゃ! リスクは必要経費よ!」

「確かに、そうした方がゴールを狙う機会は増えるだろうね。だが、向こうのチームはリードしているからといって守備を固めるような気質ではない。更に得点を狙ってくるはずだ。その場合、有効なのは・・・・・・」

「カウンターだね。うん。向こうの編成ならカウンターは十分に狙える。俺は布陣は今のままでいいと思うな」

 ソレイユ、真夏、ロゼ、ラルバがそれぞれの意見を述べる。話し合いの結果、布陣は変えず、基本はカウンターを狙い、カウンター時に全員で攻めるという作戦になった。

「いい感じだよ! この調子で後半も頑張ろう!」

「大丈夫。私たちなら勝てるわ」

「当たり前だ。もっと点を入れて圧勝してやる」

「うん。みんなで勝とう」

「頑張ってくださーい・・・・・・」

 一方、陽華、明夜、レイゼロール、光司、キベリア、青チームのミーティングはそんな調子で終わった。そして、ピッとホイッスルが鳴る。

「10分が経過しました。後半戦を開始します。コートを入れ替えます。両チーム、配置についてください」

「ふふっ、現在2対1で青チームがリード中ね。ここからどうなるか楽しみだわ」

 主審であるイズの言葉で、赤チームと青チームがコートの中に入る。観戦者であるシェルディアは優雅にそんな感想を述べた。

「後半は青チームからです。では、後半戦開始」

「ふん」

 イズの宣言により後半戦が開始される。最初にボールに触ったのはレイゼロールだった。レイゼロールは明夜にボールをパスした。

「今度は私が点を決めてみせるわ!」

 ボールを受け取った明夜がドリブルで赤チームの陣地へと攻め入る。そんな明夜に対処したのはソレイユだった。

「これ以上点はあげないわよ! 逆に私がハットトリックを決めてやるわ!」

「それは欲張り過ぎですよ会長!」

 真夏が明夜からボールを奪おうとし、明夜はそうはさせまいとボールをキープする。明夜は一旦レイゼロールにパスを戻した。

「レイゼロール!」

「我に催促するか。気に食わんな。だが・・・・・・いいだろう」

 陽華が手を挙げパスを促す。レイゼロールは自分で少しだけボールを運ぶと、陽華にパスを出した。

「やらせませんよ!」

 しかし、ソレイユが急にパスコースに現れ、レイゼロールから陽華へのパスをカットした。

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