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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1982/2051

第1982話 前髪野郎と闇の兄妹2(2)

「ああ、そうそう。ここだ。ここで、影人くんはスプリガンとして、初めてレールの前に現れたんだ」

 十数分後。影人たちは先ほどの公園とは違う、また別の公園にいた。距離は近かったので、転移の力は使っていない。全員歩きで来た。レゼルニウスは少し興奮したように、周囲を見渡した。

「・・・・・・そういえばここからだったな。俺がスプリガンとして暗躍し始めたのは。後は、レイゼロールの力のカケラを集めていた時の集合場所にもしてたか。相変わらず、何の変哲もない公園だぜ」

 影人は特に興味もなさげに公園を見渡した。影人の近くに大きな木があるが、影人はここから陽華と明夜、レイゼロールと闇奴との戦いを見つめていた。

「僕がスプリガンという存在に注目し始めたのは、君がレールと初めて本格的に戦った辺りからだ。だけど、一応僕は君たちが出会った場面も冥界から見ていた。いま思えば、あそこが運命の起点だったね」

「・・・・・・まあ、そうだな。あの時は色々と思ってもみなかったぜ。俺がレイゼロールと実は知り合いだったり、死んだり生き返ったり・・・・・・本当色々とな」

「ふん。お前があの時に自分の本来の姿を我に見せていれば、すぐに終わった話だったのだ」

「無茶言うな。あの時の俺はまだ過去に飛んでなかったんだ。お前の事を知るわけがないだろ。あの時の俺が思ってた事は、朝宮と月下の名乗りと決めポーズがダサいって事と、闇奴とお前がなんで攻撃せず見てるだけなんだアホかって事だけだ」

「ほう・・・・・・前者はどうでもいいが、後者は聞き流せんな。誰がアホだと? もう1度殺してやろうか貴様」

「それ、ブラックジョークが過ぎないか!? お前ガチで1回俺殺してるじゃん! しかも、その結果世界滅びかけたし!」

「過ぎた事だ。どうせ、お前は殺しても何だかんだと生き返る。なら何度殺しても問題はないだろう」

「大ありだ! さすがの俺も次に死んだら生き返る自信はねえよ! ったく、俺を何だと思ってやがるんだ・・・・・・」

「変態前髪バカ」

「誰が変態で前髪でバカじゃ!? こんちきしょうが! 上等だレイゼロールてめえ! 1回ぶっ飛ばしてやる!」

「やれるものならやってみろ。その前に我が貴様をぶっ飛ばしてやろう」

 影人が怒りの余りポケットから、スプリガンの変身媒体である黒い宝石のついたペンデュラムを取り出す。レイゼロールもギロリと影人を睨む。

「ぶっ・・・・・・あはははははは!」

「「っ?」」

 そんなレイゼロールと影人のやり取りを見ていたレゼルニウスが急に笑い声を上げる。突然笑い始めたレゼルニウスに対し、影人とレイゼロールは不思議そうな顔を浮かべた。

「ああ、ごめん。君たちがあんまりにも仲がいいものだから。僕からすれば見ていて嬉しい、自然と笑顔になる光景だよ」

「・・・・・・お前、目が腐ってるのか? 何をどう見ればそんな感想が出てくるんだよ」

「・・・・・・バカの前髪と同じ感想を抱くのは癪だが、我もよく分からないな。なぜ、我とこいつの仲がいいとなるのだ」

 レゼルニウスの言葉を聞いた影人とレイゼロールは訳がわからないといった顔になった。

「意外にも本人たちには分からないものなんだね。うん。それもまた微笑ましいね」

 レゼルニウスがフッと笑う。レゼルニウスは満足した様子で、影人とレイゼロールにこう告げた。

「ありがとう。じゃあ、次の場所に行こうか。次は・・・・・・うん。影人くんとレールが初めて戦った場所だ」

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